これでモンスターペアレントとは思われない!?先生や学校に相談したい時、気をつけたい「伝え方のコツ」

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先生や学校に伝えたいことがあるけれど、どういう方法でどういうトーンで伝えたらうまく伝わるのか…そう頭を悩ませている保護者は意外と多いようです。「モンスターペアレントと思われたくない」「変な伝わり方になって先生の気持ちを害したくない」…つい、そういう思いが先立ってしまうことありますよね。先輩ママたちの経験を交えながら、伝え方のコツを解説します。学校の対応ではどうしようもない場合の「次の一手」も紹介します。

先生や学校側への伝え方のコツ

思うところやモヤモヤすることがあっても、伝えないと「ないもの」として扱われてしまいます。子どもがより良い環境で学校生活を送るためにも、声をあげることは大切なこと。でも、そこは人と人とのやり取り。声の出し方=伝え方にもコツや作法があります。

【一度に伝える内容は、なるべくひとつ】

怒りに任せてしまうと、「あれも」「これも」と色々な不満が出てきてしまいますが、「一度に伝える内容はひとつ」が効果的です。一度にいろいろ言ってしまうと、「不満の多い親」つきつめると「モンスターペアレント」だと思われかねません。ひとつの問題が解決すると、関連していた問題も一緒に解決していくケースもあるようです。

【連続で伝え続けない】

もし明らかに学校側に非があっても、毎日あるいは何時間かおきにしつこく問いただし続けると、学校側も疲弊してしまい、対応が取りづらくなってしまいます。事実関係の調査には2~3日かかることもあるので、ある程度の日数や期間を置いてから「この件はどうでしたか」と尋ねるのがベターです。時間の経過とともに子どもの気持ちや状況がいい方向に変わることもあるので、「時間を置く大切さ」があることも知っておきたいもの。もちろん、明らかな体罰や暴言、いじめなど、伝え続けたほうがいいケースもあります。

【自分が伝えやすい、伝わりやすい手段を決める】

連絡帳に書く、直接電話をする、アポイントを取って面談するなど、そのときの内容や話の重みによって伝える方法は異なってきます。「相手の顔を見たほうが冷静に話せる」あるいは「話しているうちに感情的になってしまいそうなので、まずは文章で伝えたい」など伝え方には得手不得手があるので、自分がいちばん上手に伝えられそうな方法を選びましょう。伝え忘れた!と後悔しないためにも、伝えたいことを書き出しておくことも大切です。書いているうちに冷静に、客観的になれるというメリットもあります。

【「誰に」伝えるのか、伝えたいのか】

学校だけでなく、同時並行で教育委員会、マスコミ、議員などに相談してしまう保護者もいます。基本的には「子どもに近い順」に伝えたいもの。担任を飛び越して校長、校長を飛び越して教育委員会などと役職を飛び越えて相談すると、問題の論点がブレてしまったり、「プライドを傷つけられた」と思う先生も出てきます。ただ、担任についてのクレームの場合、学年主任やスクールカウンセラー、副校長など、別の先生に相談した方がいい場合もあります。誰に相談したら最もきちんと伝わるのか、考えてから行動しましょう。

実際に伝えてみたら…どうなった?ママたちに聞いた事例

▽保護者会の後に時間を作ってもらった〔Yさん、子ども14歳〕

娘が小学校4年生のとき、同じクラスの女の子数名からいじめを受け、不登校になりました。先生とも何度か話しましたが、事実確認もせず「いじめではなさそう」の一点張り。親同士だけで直接話すと変に揉めることになるので、「いじめた子は分かっているので、もし可能なら、保護者会の後先生も入って親同士で話し合いをさせてもらえませんか」と申し出ました。

・その後の対応は?

最初は先生も渋っていましたが、2学期の保護者会の後、担任と学年主任の先生、いじめた子の保護者と話し合う機会を設けてもらいました。

「今日は絶対に怒りに任せない」と心に決め、これまであった事実を淡々と話しました。

話を聞いた親はビックリしていたし、泣き出す人もいました。事実をまったく知らなかったんでしょうね。幸い「うちの子に限っていじめてない!」と主張する人もいなくて、自分の子どもにしっかり言い聞かせてくれたようです。その後は、いじめはなくなりましたが、その子たちとは縁を切ったようで、5年でクラスも変わり、いじめた子とは別のクラスに。その後はほかの子と仲良く楽しく過ごせていたようです。

私が言ったことで娘がもっと追い込まれないか、立場がさらに悪くなるのでは…とものすごく悩みましたが、今はあのとき言ってよかったと思っています。

   ◇   ◇

▽短い手紙で伝えた〔Sさん、子ども11歳、6歳〕

成長がゆっくりな息子。算数が特に苦手で、毎日の宿題が辛く、それが理由で「学校休みたい」と言うようになりました。「このことを学校に伝えるのはわがままかな」と悩みつつ、一緒に宿題をしたり、算数だけ補習塾に通わせたりもしましたが、やはり「辛い」という状態が続きました。

小学校3年生のときに思い切って連絡帳に短い手紙を挟み、子ども経由で先生に渡しました。「いつもお世話になっております」という感謝の気持ちを込めつつ「実は算数の宿題が大きな負担になっていて、「学校を休みたい」というときがあります。少しだけ量を減らしていただくことはできますか」というような内容を書きました。

・学校の対応

担任の先生と学年主任の先生と私で話し合う時間を作ってくれて、算数の宿題を少し減らし、1日おきに出すという方法を取ってくれました。宿題を提出するときは、宿題がない日でもノートだけ先生に渡すという形を取っていただき、他の子に「なんで出さないの~?」と言われないようにしてくれたのもありがたかったです。

どうしようもない場合はどうすべきか

学校に正当な手段や理由で要望を伝えても、埒(らち)が明かない、誠実に対応する姿勢がまったく見られないというケースも、残念ながら多く見られます。次の一手(最終手段といってもいいかもしれません)は、「教育委員会への相談」となります。相談の仕方や、相談後はどのような対応があるのかを解説します。

【そもそも教育委員会とは?】

学園ドラマなどでも、保護者役の「教育委員会に言いますよ!」というセリフを耳にしますが、教育委員会はどのような役割を担う機関なのでしょうか。

すべての都道府県・市区町村に置かれており、基本的に5人の教育委員で構成され、偏った教育がなされることを防ぐため、知事や市町村長から独立したものとなっています。職務権限は、学校の設置、先生の人事、校舎の整備、学校で使用する教科書選びなど、その地域の教育について大切なことを教育委員会の会議で決定します。

教育委員会の意義は「政治的中立性の確保」「教育の継続性、安定性の確保」「地域住民の意見の反映」の3つ。教育委員会は学校運営のサポートを主体とした団体であり、学校の味方でもなく、保護者の味方でもない、中立的な立場なのです。

【教育委員会への相談の仕方】

自分の住む自治体の教育委員会へ電話したり、あるいはホームページ内のメールなどから直接連絡できます。その後、校区の担当と面談し、内容によって事実確認を行うか、学校に話を返すかなどを決めます。

【教育委員会の対応】

基本的な流れとして、教育委員会から校長、校長から担任(学年主任も)という順で指導が入ります。しかし、明らかな処分が行われるのは、決定的な証拠があるいじめによる長期不登校、暴力やわいせつ事件など法律に触れそうな場合が多いといえます。

どこまで指導するか、介入するかは、教育委員会や委員によるところも大きいようです。

   ◇   ◇

「すぐに教育委員会へ!」ではなく、できれば生徒の様子を毎日見ている担任→ダメなら学年主任、校長という順で、学校の中で収めていきたいものです。

ちなみに、モンスターペアレントは、日本独特の言い回しだそうです。メディアなどの影響もあって、少し学校に意見をいうだけでもモンスターペアレント扱いされないか不安になってしまう時代…。

学校や先生に何かいいたくなるのは、子どもが心配だからこその親心ともいえます。でも、そこは「人対人のやり取り」。相手の話をよく聞いてから、感情に任せず伝えたいことを明確にする、相手への思いやりや感謝の気持ちも忘れない、など守るべきルールがあることも忘れずにいたいものです。

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