一人暮らしの独身男性だって「保護猫」と暮らしたい!譲渡会で三毛猫の女の子アンジュちゃんと運命の出会い

ふじかわ 陽子 ふじかわ 陽子

保護猫と暮らしたいと思っても、ボランティア団体から引き取るためには審査が必要。この審査の中には家族構成が必ずあり、単身世帯の方は不利です。特に男性の場合は、譲渡対象から外されてしまうことが多くあります。

それでも、男性だから猫を可愛がらないわけではありません。茨城県に住むWさんは2匹の猫と暮らす独身男性。世の愛猫家同様、文字通り「猫可愛がり」している一人です。

一人暮らしになる前までも、猫とは暮らしていました。女の子の猫でヴィラちゃんといいます。Wさんの祖母が入所している施設に里親募集の張り紙があり、それを見た当時同居していた母親が連絡。引き取ることになりました。この時、条件については特に何も言われなかったのだそう。

ヴィラという名前は、祖母が入所していた施設の名前から。フランス語で「別荘」という意味。Wさんはヴィラちゃんをたいそう可愛がり、写真を撮ってはSNSに投稿をします。フォロワーも増え、日々が充実してきました。

去年の暮れ、母親が家を出ることになりWさんは一人暮らしに。そうなると、Wさんが仕事中、ヴィラちゃんが寂しくなってしまいます。そこで、もう1匹猫を引き取りたいと考えるようになりました。

ところが、ボランティア団体からは引き取ることができません。どこも単身世帯の男性はNG。男性というだけで、最初から話になりません。ところが、1つのボランティア団体が良いことを教えてくれました。それは、市役所の譲渡会は条件がそこまで厳しくはないと。

そこで意気揚々と市役所に電話をかけ、年明けに猫と引き合わせてもらうことに。市役所では、男性であろうと一人暮らしであろうと問題にされませんでした。条件は「最期まで面倒を見る」ことだけ。拍子抜けです。

運命の1月4日、Wさんは市役所に向かい猫と対面です。そこには6匹の生後約3カ月の子猫たちがいました。Wさんは男の子を希望していましたが、そこにいたのは女の子だけ。少し残念に思いましたが、目の前にいる可愛い子猫たちにそんなことはすぐ忘れます。

とはいえ、性別という決め手がなくなりました。全員可愛いので選べません。その中で1匹だけ、三毛猫がいたのです。この子がWさんを見上げます。

「この子だ!」

運命の瞬間でした。

Wさんは職員に声をかける前に、他の猫たちに断りを入れたと言います。「ごめんね、この子と僕は家族になる」と。

その日のうちに、Wさんは子猫を連れて家に帰ります。名前は「アンジュ」としました。フランス語で「天使」という意味です。ヴィラちゃんがフランス語の名前なので、一生懸命調べたんですって。

アンジュちゃんもまた、Wさんに猫可愛がりされるように。お姉ちゃんになったヴィラちゃんもアンジュちゃんを本当の妹のように可愛がったのだそう。

一人暮らしのWさんが猫と暮らすうえで気を付けているのは、脱走です。特に洗濯物を干す時には、慎重に外へ出ています。ベランダではなく庭に干しているから。まず、猫たちがいないことを確認してササっと出て、庭から窓を見る形で洗濯物を干す。

一度、ヴィラちゃんが洗濯物を干す時に出てしまい、それに気づかず半日お外で過ごさせてしまった経験が、Wさんをそうさせています。

これだけ愛されているのですから、ヴィラちゃんもアンジュちゃんもWさんのことが大好き。仕事に行かないで!といわんばかりに、Wさんが出勤の際は後追い。

「ほんと、仕事に行くのが辛いですよ。仕事に行ったら行ったで、今度は早く帰りたくなる」

Wさんはそう言って笑います。

Wさんが帰宅すると、駐車場の窓からヴィラちゃんがお出迎え。玄関を開けると、今度はアンジュちゃんがWさんを熱烈大歓迎です。猫にも分担があるよう。

「男の一人暮らしだって、ちゃんと世話をしていますよ」

Wさんはそう言い、今日もヴィラちゃんとアンジュちゃんの愛らしい姿をSNSに投稿します。ちゃんとしているという自信があるからこそ、SNSに投稿できると、Wさんは胸を張って言いました。

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