3年前に亡くなった高齢女性の油絵作品が今、インターネット上で脚光を浴びています。きっかけはお孫さんによるSNS投稿でした。
「温かみがある絵」「ルソーみたい」絶賛の声続々
油絵の作者の名は、関サト子さん。関さんの初孫「ryuty」さん(@ryutyblog)は5月29日、投稿文とともにお祖母様の油絵作品4点をツイッターに投稿しました。
「3年前に亡くなった祖母は画家を志すも戦争の影響で叶わず。60歳くらいから趣味で油絵を描いてました。祖父も亡くなり段々と片付けを考えてます。賞を獲るとかより人に見てもらうのが何より喜びだったので皆さんよかったら見てやってください」
関さんの作品には3日間で7.5万を超えるいいねが付けられ、「素晴らしい才能」「ほれぼれする」「ルソーみたい」「とても味わいがある」「絵本の中にいるみたい」「なんて温かみがある絵」「個展があれば行きたい」「他の作品も拝見したい」など絶賛する声が続々と寄せられています。
12歳で「侍とお姫様」描くも戦争で…
投稿者のryutyさんに話を聞きました。
ーーお祖母様の絵が大変注目されています。
「ものすごくうれしい気持ちと、とんでもないことになったなぁという気持ちです(笑)」
ーー今回、ツイッターに投稿しようとしたきっかけを教えてください。
「実は祖母が生前、高齢で絵を描けなくなり寂しそうだったので、飾って見てもらったら祖母が喜ぶと思いまして、私の職場にツイート4枚目のお金を描いた作品を飾っていました。改装などで飾る場所がなくなり、自宅へ持ち帰って倉庫にでも片付けようかなと母と話したのですが、最後にツイッターに載せてみようかなとふと思い付き、軽い気持ちでアップしました」
ーーお祖母様の油絵を投稿したのは今回が初めて?
「祖母が亡くなった時に載せた気がします。あまり反響はなかったですが(笑)。地元の作品展に出品したことはあったと思います」
ーーお祖母様の油絵歴は?
「油絵歴は60歳〜80歳くらいまでの約20数年だと思います。母によると60歳少し前くらいから始めたそうです。ただ才能は小さい頃からあり、12歳の時に描いた侍とお姫様の絵を見せてもらった記憶があります。その頃に戦争があり、画家の道をあきらめたようです。その絵があればツイッターに載せたいのですが見つかりません…」
猫が大好きだった関さん「猫は入れたいんだいなぁ」
ーーお祖母様は猫がお好きだったんですね。
「猫は近所の野良猫なども可愛がっていたので常に何匹もいましたね。庭に捨て猫がいることもたびたびあったようです。どんな猫も平等に可愛がってました。名前を付けて家猫として飼っていたのは5〜6匹だと思います。絵に描かれている猫は祖母のイメージで付け加えた感じです」
ーー油絵の先生に「猫は入れない方が」とアドバイスされても、お祖母様は無視して描き続けられたと聞きました。
「祖母は『猫を描かなければ賞が獲れるって言うんだで、でも猫は入れたいんだいなぁ』とよく私に愚痴っていました。おばあちゃん大好きな私は幼いながら『描いちゃえ描いちゃえ!』と応援し、常に味方をしました。今考えると私に言えば絶対反対されないから話したんでしょうけどね(笑)」
猫が大好きだったという関さんの最後の飼い猫は「カンナ」ちゃんでした。カンナちゃんは現在、ryutyさんのお母様と一緒に暮らしているそうです。
コロナが終息したら作品展を
ーー作品は全部で何点ありますか?
「手元に残っているのは20点ぐらいです。作品自体はもう少し描いていたのですが、ほめられるとすぐくれてしまったので減りました(笑)」
ーーアトリエを開く計画もあると。
「今回の反響を見て、コロナが終息したら絵をたくさん飾って見に来てもらおうかと家族で話しています」
ryutyさんは次の休日、関さんにツイッターでの反響を報告に行きます。
「皆さんからいただいたリプ等は全て祖母の仏前に伝えます」