御朱印ならぬ「御猫印(ごねこいん)」が猫カフェで人気 店主「保護猫への関心高めるきっかけに」

西松 宏 西松 宏

 御朱印や御城印ならぬ「御猫印(ごねこいん)」を販売する猫カフェがある。岐阜県中津川市にある「ハワイアン保護猫カフェOhana(オハナ)」だ。

 御猫印は全部で11種類。シールになっており、大きさは縦148ミリ、横103ミリ。ハガキと同じくらいのサイズだ。現在、同店にいる9匹の保護猫のユニークな似顔絵が、それぞれ描かれている。

 企画したのは、店主の小木曽樹(こぎそ・いつき)さん(41)。印刷業を営み、同市内にある苗木城跡の御城印などを制作してきた。「2年ほど前から、御城印の猫バージョンができないかなと思っていて、今年2月、ようやく完成しました」と話す。2月下旬から販売をはじめると、「遊んでくれた猫が可愛かった」「誰かに配りたい」と大人気で、全種類を買い集めた客もいるという。イラストやスタンプはすでに印刷されており、日付だけ書き込んで渡す。

 中でも人気なのが、「ゴマシオ」(オス、4歳)と、「モク」(メス、4歳)の御猫印。「ゴマシオは多頭飼いのお宅から引き取りました。目つきが悪く、ツンデレですが、おでこの片側の黒い模様がユニークだからか、かなりの人気者なんですよ」

 「一方、モクは生まれた後に風邪をひき、目ヤニで目が開かないまま成長したと思われ、両目が見えなくなってしまった子。動物病院で保護されていたのですが、なかなか飼い主が見つからず、うちの店ができたときに引き取ったんです。盲目ですが、すごく人なつこいし、お客さんの膝にのったりおもちゃで遊んだりと、元気いっぱいです」と小木曽さん。

 似顔絵は、絵やラテアートが得意な男性スタッフが担当した。特徴のある柄の猫は描きやすいといい、これからも新たな御猫印を増やしていくそう。ちなみに新しい飼い主が見つかって卒業する子の御猫印について、残すか販売終了とするかは、飼い主と話し合って決めるという。

 小木曽さんが呼びかけ、同じように御猫印を作った近隣の猫カフェもある。「夏頃までには集めた御猫印を入れたり貼ったりできる御猫印帳も販売する予定です。猫カフェに行ったら、その店オリジナルの御猫印を購入でき、各店のものを集めてまわるのが楽しみ、というようになったらいいですよね。御猫印のデザインは、在籍している猫のイラスト、店のロゴ、消しゴムハンコなど、その店の自由でいいと思うんですよ。御猫印がきっかけとなって、保護猫についてもっと関心を持ってもらえたら嬉しいです」と小木曽さん。「御猫印が全国の猫カフェに広がったら面白いですね」と期待を膨らませた。

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