大きな木が伐採されてしまい残念に思っていたら、いつの間にか切り株の上に立派な椅子が…。
樹齢128年の老木を内側の腐敗の為にやむなく伐採したものの、使える部分で椅子を作り小休憩スペースとして再生させた公園がSNS上で大きな注目を集めている。これを紹介したのはオランダ在住でヴィンテージアクセサリーショップを運営するPAST THINGSさん(@past_things_)。
古いものをできるだけ良い形で残そうとするこの文化的な精神にSNSユーザー達からは
「最近公園や街路樹でも大きな木が伐採されていたり極端に枝が切られおかしな格好になってしまった木をよく見かけ"切らないでー"と思います。桜は寿命もあり仕方ない場合もある様ですが苦情であったり災害対策で切ったりするようです。こう言う風に切ってもまた憩いの場になっているのは嬉しい事です」
「空から本棚が降ってきて地面にめり込んだ画像かと思ってしまいました。」
「素敵!…でも、雨の日はどうするのでしょうか?」
「素敵!
大きな木が切られるのは残念ですが、内側の腐敗なら、倒れる危険もあって仕方ないですし、そのあとをこのように愛情をもって利用している…♡
こういう伐採だったら全然納得できます。」
など、数々の絶賛のコメントが寄せられている。
PAST THINGSさんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):この木がある公園はどこでしょうか?
PAST THINGS:オランダ・アムステルダムにあるウェスターパークという公園です。
中将:木を使った椅子や図書館をご覧になった時のご感想をあらためてお聞かせください。
PAST THINGS:128年生きた木を一つの芸術作品として残して語り続けるという思いに感動しました。
中将:オランダではこのように古いものを大切に再利用する文化があるのでしょうか。
PAST THINGS:私が現在住んでいるアパートも建設が1900年代だそうです。築120年ですね。オランダでは沢山の家が当たり前のように100年以上中身をリノベーションして使われ続けています。古くて良いものを大切に使い続けるという文化と精神が強い国なのだと思います。
中将:今回の反響へのご感想をお聞かせください。
PAST THINGS:「素敵」という声をたくさん頂きました。コロナ禍でなかなか帰りにくくなってしまった日本ですが、今回のツイートで皆さんと繋がれた気がしてとても嬉しかったです。
PAST THINGSオンラインショップ:https://pastthings.thebase.in/
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日本では公園や街の通りの樹木、伝統建築に対してはぞんざいな扱いをしている例をよく見かける。日本でも古いものをよりリスペクトする文化が根付いてほしいものだ。
なお今回の話題を提供してくれたPAST THINGSさんは「長い間広大なヨーロッパの地で眠っていた小さなアクセサリーたちと、日本の皆さんとの出会いの場となれたら」という思いで欧州で買い付けたアクセサリーをオンラインで販売している。いずれのアイテムも歴史の深みを感じる上品なものばかりなので、ご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。