「テレビ見るよりもすごく戦争を身近に感じた」  祖父が遺した“教え子たちからの寄せ書き”が話題に

中将 タカノリ 中将 タカノリ

「先生元気で さやうなら」「先生どうかりっぱな兵隊さんになり米英を撃ってください」「國のため花と散るまでは トルーマン チャーチル たたきつぶしませう」

戦場に旅立つ教師児童たちから寄せられた寄せ書きがSNS上で大きな注目を集めている。祖父の遺品としてこの寄せ書きを紹介したのはたんどさん(@wt___425)。

内容からして終戦間近のものと思われるこの寄せ書き。当時の情勢をそのまま反映した児童たちの切迫したメッセージに、SNSユーザー達からは

「とても字が綺麗ですね。一生懸命勉強した彼らも、先生も戦ったのですね。今の僕らの幸せは、そんな彼らの見た夢と願いの中にいることを忘れてはいけませんね。一生懸命生きたいと思いました」

「今の小学生はおろか、大人でも書ける文章ではありませんね。当時の日本の鬼気迫る状況を感じます」

「達筆な手紙や書類よりも、"自分が子供だったらやはりこういう文字を書くだろう"と想像がつく分、より身近に感じられますね。そして子供たちがもう、こんな手紙を先生に送らねばならないような世の中にならないように」

など、数々のコメントが寄せられている。

たんどさんにお話をうかがってみた。

中将タカノリ(以下「中将」):この寄せ書きをご覧になったきっかけをお聞かせください。

たんど:この寄せ書きは祖父母の家にて祖父母の遺品整理をしていた際に、押し入れの中に仕舞われていた箱の中から、祖父が残しておいたと思われる思い出の品々の中に混ざっていました。

中将:お祖父様は学校の先生をされていたのでしょうか?

たんど:祖父が学校の先生をしていたという話は聞いていませんでした。母も同じく聞いていないそうです。なので、おそらく教育実習かなにかの際に、この寄せ書きを書いてくれた学生たちと交流があったのではないかと思います。

中将:たんどさんにとってのお祖父様の印象をお聞かせください。

たんど:祖父は戦後、長く役人をやっていて、とても頭の良い人でした。しかし孫の僕にはいつも優しくしてくれて、夏休みは地域のお祭りに連れて行ってくれたり、幼い頃は新幹線に乗せてあげたいと旅行を計画してくれたりしていました。自分は和太鼓を今年で20年続けているのですが、きっかけは祖父が連れて行ってくれたお祭りでした。

中将:この寄せ書きをご覧になった際のご感想をあらためてお聞かせください。

たんど:まず、言葉が出ませんでした。目で文字を追うことはできましたが、内容が衝撃的で頭にはすぐに入ってこなかったです。それから、生きていた頃は戦争の話は全くしなかった祖父がどういう思いでこれを残していたのかを考えていました。

中将:ご投稿に対し数々のコメントが寄せられていました。平和への想いを新たにした方も多かったようです。今回の反響へのご感想をお聞かせください

たんど:素直に驚きました。終戦から76年経ち、戦争を経験した世代の方々が少なくなってしまっている中ですが、当時のことを知って当時に思いを馳せてしまうのは変わらないのだなと思いました。リプライや引用に目を通すとみなさん等しく戦争の悲惨さを感じていて、自分は戦争を経験していない世代ですが、これは風化させてはいけない想いだなと感じました。

   ◇   ◇

第二次世界大戦での敗北を教訓に、戦後はかろうじて大きな武力衝突を経験せずやってこれた日本。どうか今後も子供たちが教師に対してこのような寄せ書きを書く必要のない社会を保ちたいものだ。

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