「結婚の可能性や出産について探りを入れられ、ないと言い切らなければ仕事を続けさせてもらえない」…女性のキャリアに関するアンケートに、深刻な悩みが寄せられています。働く女性の8割以上が、今後のキャリアに不安があると回答し、7割近くが「働く上で女性であることが不利」だと感じていることが分かりました。
コーチング事業を手がけるZaPASS JAPAN株式会社が行った調査で、日本企業に勤めている女性正社員326名から回答を得てこのほど結果を公表しました。
8割以上が、今後のキャリアに不安があると回答
今後のキャリアに不安があるか尋ねたところ、「とてもある」と「ややある」が合わせて82.8%と、8割以上が今後のキャリアに不安を感じていることが分かりました。
具体的にどんな不安があるかを聞くと、「ライフステージが変わったときの働き方(結婚・出産・介護など)」が54.1%で最も多く、「フルタイムで働き続けられるか」が49.6%と続きました。
また、「働く上で、女性であることが不利だと感じたことはありますか」と聞くと、67.2%が「ある」と回答しました。以下、自由記述された内容を紹介します。
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【ライフステージ関連】
・結婚、子育てで仕事のキャリアを捨てないといけない
・転職時の面接で結婚の可能性を聞かれる。在職中の個人面談でも、結婚の可能性や出産について探りを入れられ、ないと言い切らなければ仕事を続けさせてもらえない
・ライフステージが今と変わったらフルタイムは難しい。結婚しようとした時に相手との兼ね合いで、相手は仕事を変えられないので自分が仕事をやめざるをえない時があった
・結婚した同僚が、今後妊娠して産休を取るリスクがあるからと部署を異動させられた
・今の会社に産休や育休の実績がないため、子供ができたら辞めなければいけないため
・妊娠しながら仕事をしていたとき。提示されたポストが流れかけた
・妊娠、出産により業務へ支障やキャリアのストップがある。結婚して辞めるかもしれないと昇進や人材育成に力をいれてもらえない
【職場復帰関連】
・産休育休を取得したあと別のポジションに移ることになった
・産休育休に入る人は出世できない
・産休から復帰したら、窓際に異動された
・妊娠・出産などで、責任のある仕事を任せてもらえていないとき
・子供がいて時短勤務と言うだけで評価が下がるから
【女性の身体ならではの体調関連】
・体力面で男性と同じように動けないこと
・生理や婦人科系の疾患で休みづらい
・生理休暇を男の上司に言い出せない時
・生理痛でも普段通りに仕事をこなしたい。ホルモンバランスの関係で精神状態にむらがあるが平常心を保ちたい時など
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今回の調査について、同社は「働く女性の8割以上が今後のキャリアに不安を抱えており、さらに約7割が働く上で女性であることが不利だと感じたことがあることなど、女性が働く上での課題が明らかになりました」と説明。「特に、結婚・出産・介護など、ライフステージが変わったときに同じように働き続けることができるかどうかについて多くの不安の声が寄せられたほか、『実際に産休育休後に異動させられた』といったエピソードも複数あったことは、人事制度や社会全体の意識改革が女性の働きたいという意思にまだまだ追いついていないという由々しき現実を浮き彫りにしているのではないでしょうか」と指摘しています。