五輪聖火ランナー「走りたい人も大勢いる」…辞退を“賞賛”のネット世論や報道「悲しい」

ハイヒール・リンゴのつぶやき

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 東京五輪の開幕が7月に迫る中、「スケジュールの調整が付かない」として、著名人の聖火ランナー辞退が相次いでいます。

 私も市民ランナーとして枚方市内を走る予定ですが、私の場合、自治体や企業から依頼されたのではなく、あくまで私自身が自国開催のオリンピックに何か私に出来る関わり方はないだろうかと方法を考えた末、「走ることならできるかも」と一般の人と同じように志望動機を考え、応募した結果、選んでいただいたものです。

 ですから、ロンドンブーツ1号2号の田村淳君が辞退すると表明したときは、正直驚きましたし、YouTubeで理由を語っているのを見て「なるほど」と、思い彼の気持ちは理解したものの、同時に「でも、私の考え方、私の関わり方とは違うな」と感じました。

 端からは同じ「著名人枠」に見えるかもしれませんが、ランナーへの思いは人それぞれ。それなのにボランティアも含め「辞退続出!」と、まるで「辞めるのが正義」のような最近の報道やネット世論を見ると「私も辞めないとダメなの?」と悲しくなりました。

 芸能人といっても、例えば舞台や映画などに出演する俳優さんと、トーク番組や情報番組が多い私たち芸人やタレントさんとでは、仕事の調整しやすさにも差があります。俳優さんは稽古日の調整や何やかんや何日も舞台を空けるわけにはいきません。それを「きれい事だ」「イメージダウンを恐れて仕事のせいにしている」などと言われるのは、違うなあと思うのですが。

 さらに先日ネットで読んだ雑誌記事には「走る前に2週間も“隔離”される」という内容が。もし、それが本当なら正直私もさすがに「2週間はキツい。」と慌てて聖火ランナーの公式ホームページを調べたのですが、そこに書かれてあったのは「会食や密集を避ける」「健康チェックシートをつける」など、今普通に生活していることや、その延長線のことばかり。それなのに「隔離」という衝撃的な言葉が一人歩きし、まことしやかに広がってしまったようです。

 怖いのは「水も泥も一緒」というか、例えば新聞なら記事の場所や大きさで重大性の違いが分かりますが、ネットだとどれも同列のため、不確かな情報がデマとなって飛び交いかねないこと。媒体によって正確性を期しているメディアと、いたずらに煽りたいメディアとがあるのはニュースを読み取る側が注意しなければならないことです。「え?」と思うことがあれば自分で調べ、取捨選択する力がますます必要になっていると感じます。

 それでなくとも、五輪を巡る最近のニュースは差別やジェンダーバイアスなどセンシティブな問題をはらんでいるものばかり。今回のことでいえば、「やるなら盛り上げたい、何らかの形で参加したい」と思っている人の気持ちはどうなるのでしょう。マスコミが正確な情報を報じるのは当然ですが、良いニュースも悪いニュースも、まずはソース(情報源)を確かめて、「判断する目」を養っていかなければならない時代が来ていると思います。

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