ファストフードチェーンの「バーガー・キング」英国法人が、8日の国際女性デーに「女性はキッチンにいるのがふさわしい」とツイートして炎上した。
その後に続くツイートで、「もちろん、(女性が)そうしたければだ。外食産業のシェフにおける女性シェフの割合は20%で、我々は女性従業員の料理業界でのキャリアを支援し、この割合を変えることをミッションとしている」とした。
さらに女性がシェフやチーフシェフを目指すために必要な奨学金を導入することも付け加えた。
しかし、「女性はキッチンにいるのがふさわしい」という最初のツイートは批判されて、炎上した。
最初のツイートしか読まなかった人々の誤解なのか。女性のプロシェフの増加を支援するという同社の意図を読み取らなかった読者の過剰反応なのだろうか。
ツイッターにはさまざまな意見が書き込まれた。
「女性はキッチンにいるのがふさわしいというツイートは、その後の奨学金のツイートよりも527%も読まれており、国際女性デーにあなたの会社の奨学金制度について知るより、あなたの会社が性差別を正当化しているのを見る人のほうがはるかに多い」
ひとつのツイートのなかで、奨学金制度の説明を入れることも十分に可能なのに、あえて2つ以上にわけていると指摘し「性差別をユーザーの目を引くものとして使わないでほしい」という意見もあった。
8日のワシントンポスト電子版では、専門家による厳しい指摘が掲載されている。ベントレー大学でマーケティングを専門とするスーザン・ドブシャ教授は、同社は過去にも性差別的な表現をキャンペーンに使用したことがあるとし、「この会社はジェンダーに対して姿勢を取るための足元がしっかりしていない。足元がぐらついている」と指摘した。性差別に対しての社としての姿勢がはっきりしていないことが、このような広告につながったと分析している。
バーガーキング社は謝罪して当該ツイートを削除したが、女性がシェフになることを支援する奨学金告知キャンペーンは、ツイートだけでなく、新聞の全面広告にもなっている。筆者の手元にはこの新聞広告がある。文字フォントの大きさを見る限り、女性はキッチンに、という文言が前面に押し出され、女性のシェフが少ないことや、奨学金については小さい字でしか書かれていない。固定的な性役割を表す言葉で注目を集めようとしたと言えるだろうし、意図が伝わらなかったという言い訳は通らないように見えた。