バレンタイン用に売られていたタルト台に、サーモンや卵を盛り付けて“おつまみ化”した写真がXに投稿され話題になっています。投稿したのは、『うそつきリリィ』『神様のえこひいき』などで知られる漫画家の小村あゆみさん(@komura_ayumi)です。
バレンタイン用のタルト台を大胆にアレンジした一皿に、「天才の発想」「お酒が捗りそう」と注目が集まりました。
今回の発想について、小村さんはあえて甘い器を選んだのではなく、偶然の出会いがきっかけだったと振り返ります。
以前から“食べられる器”を使った料理に興味があったものの、わざわざ探すほどではなかったといいます。そこへ今回のタルト台が目に留まり、「きっかけがあれば」と思っていたタイミングにぴたりとはまりました。
盛り付けでは、甘さとのバランスに特に注意しました。タルトが想像より甘い前提で、トッピング側にしっかり塩味を効かせる方針にしたといいます。
「載せるものにもきっちり塩を効かせようと思いました」
自作したスモークサーモンは、いつもより塩抜き時間を短めに調整。本来はイクラも添える予定でしたが手に入らず、「いくらの塩気があれば100点の出来だったなと思います」と惜しみつつも、仕上がりには満足している様子です。
「オリーブオイルと塩をかけて、80点。やっと作れた満足感で100点です」
投稿文には「意図を無視してやった」との表現もありましたが、調理中に背徳感を楽しんでいたわけではないといいます。
「尊厳破壊的な快感は…特にないです(笑)作りたかった美味しいものが出来上がるー!という高揚感に支配されていました」
普段から既成概念を壊す料理を狙っているわけでもありません。小村さんの料理の出発点は一貫してシンプルです。
「私が作るものはいつも『これ食べてみたい!』と思ったものの再現でしかないです」
思いついたらすぐ試すスタイルで、印象的なメニューを作ってきました。
今回の一皿に名前を付けるなら、「『酒クズバレンタインタルト』かな…?普通ですみません」と、ユーモアを交えて答えました。
小村さんが現在連載中の漫画『週末やらかし飯』は、社長秘書として働くOLが“週末だけ自分を甘やかす料理”でストレスを発散するというストーリーです。作品中で紹介される背徳レシピはどれも美味しそうですが、中でも普段からよく作るお気に入りの料理を教えてくれました。
「巨大な角煮です。大きいまま作ったら肉がしっとりなまま柔らかくなってとてもおいしかったです」
イチゴのパスタも上出来でしたが、長い恵方巻きは一人で巻く難しさを実感したそう。
漫画には登場しないメニューでは、桂むき大根で生ハムとチーズを巻きオリーブオイルと塩胡椒をかけた即席おつまみがお気に入りのメニューだと話します。
多くの反響が寄せられる中、週末を楽しく生き抜くための、食への向き合い方について次のように語ります。
「たまに『自分が本当に求めているもの』を与えてあげてもいいんじゃないかな」
日常では手軽さや効率が求められがちですが、毎週でなくても月一回や誕生日などの節目に、「自分のためのバカ」をやってみてほしいと呼びかけます。もちろん、他人に迷惑をかけない範囲で楽しむことが前提です。
固定観念にとらわれず、食べたいものを形にする。その自由な発想が、多くの共感を集めています。