コロナ禍で帰省せずに家で過ごした人も多かった2021年の年始。大切な人に会えることのありがたみを、あらためて感じた人も多かったのではないでしょうか。タムチンキさんも年始は家で過ごし、ふと最近使いだしたGoogleEarth(バーチャル地球儀システム)を開きました。ほかに行く場所も思いつかなかったため、無意識に実家を見に行ったところ、そこに写っていたのは…。
「コロナでやる事ないからGoogleEarthで実家見に行ったら7年前に死んだ親父が写ってた。その先に人が居たから見に行ったら母ちゃんだった。一服しながら奥さんの帰りを待ってたんだな。無口だけど優しい親父だった。このままこの場所の写真更新しないで欲しいな。」
ストリートビュー(※)の画像には、家の前で道路側に向いて立つ男性。もう1枚にはこちらに歩いてくる女性が写っています。どちらも顔にぼかしが入っていますが、タムチンキさんにはわかるご両親の姿。
(※)道路沿いのパノラマ写真を見ることができるインターネットサービス。「Googleマップ」でも利用できます。
このツイートに「感動。いい写真だ。」「泣いた。」というコメントのほか、同じように思い出の場所を見に行った人たちの報告リプライが集まり、11.5万リツイートと68.8万ものいいねがついて大きな話題になりました。
タムチンキさんが実家を出たのは14年ほど前だそう。最初にストリートビューでお父さんの姿を発見したときは、びっくりしたもののツイートする気はなかったと言います。
「親父が亡くなる2年ほど前に姉が病気で亡くなり、両親と孫が同居していました。たぶん一番下の孫を幼稚園に送って帰ってくる母親が写っています。父親が亡くなったのが、母親が孫を幼稚園に送り帰ってくる間の時間でした。なのでストリートビューで母親の姿を見つけた時、孫の送迎と同時間帯の父親の死が頭をよぎり思わずツイートしました」
亡くなった時期や幼稚園の送迎から考えて、ストリートビューが撮影されたのは7~8年前で間違いないそうです。「自分のツイートがまさかこんなになるとは思いもしませんでした。皆さんのいいね、リツイート、素敵な言葉に感謝です。snsでこんなにも人の温もりを感じられた事に感謝します」とコメントしています。
このツイートを見て「会いたい人に会えるかもしれない」と、多くの人がGoogleの地図をたどりました。ストリートビューには、撮影された当時の日常が写り込んでいます。だからこそ、生きていたことが強く感じられて、会えたときの感動も大きくなるのかもしれません。許可をいただいたリプライと画像を紹介します。
「お話を読んでとても感動致しました。
私の実家も気になり、見てみました。
そこには、亡くなった祖母の優しさがありました。暑い日に犬小屋に傘を差し、1人家にいてみんなの帰りを待っていてくれていたのだなと思いました。
もう祖母も飼い犬もこの世にはいないけど、ここに来ると会える事が幸せです。」𝙘 𝙝 𝙮(@candy_156cm)さん
「とても素敵なお話ですね*°
試しに母の実家のある田舎を見たら4年前に亡くなった祖父が祖母と日課で行ってた畑帰りの写真を見つけれました。
すぐ母方の家族に写真を送りました。
家族みんな喜んでおります。
素敵なきっかけをくださりとても感謝しております、ありがとうございます(*ˊᵕˋ*)」TacHi@SINoALICE(@TacHi19505968)さん
「私も一昨年老衰で亡くなってしまった犬が家で写りこんでいて見る度にまた会えたみたいで嬉しくなります。この写真のまま変わらなければいいなぁ」ぽこた(@shiumeko)さん
ほかにも、大切な人や思い出のものを見つけた人たちの書き込みでリプライは900を超えています。リプライにはこんな書き込みもありました。
「このツイートとこのリプの欄をみて少しうるうるしてしまいました
自分はまだ大切な人を失う瞬間に立ち会ってないのでこういう機会はありませんが、失っていないからこそ身近な人をもっと大切にしたいと思えました
ありがとうございます」