彼にもらった卒業式の「第2ボタン」を指輪やイヤリングに…「甘酸っぱい思い出永遠に」静かなブーム

山中 羊子s 山中 羊子s

 どこか甘くて切ない卒業式シーズン。学生服の第2ボタンをもらったという経験はありませんか。最近では思い出を形に残そうとストラップやアクセサリーにする人が増えているようです。また、コロナ禍でおうち時間が増えたことで洋服を処分する時にボタンを残し、お気に入りボタンでアクセサリーを作る人が増えたといいます。ボタンでDIYが今、静かなブームです。

第2ボタンの由来は?

 斉藤由貴の名曲ではありませんが、卒業式といえば、思い浮かぶのが学生服の「第2ボタン」ではないでしょうか。もとは戦時中に軍人さんが形見代わりに愛する女性に贈った切ない話から来ているそう。これが卒業式での第2ボタンに結びついたという説があります。

 第2ボタンは一番大切な人にあげるもので心臓に最も近い場所にあるため「心をあげる」との思いがこもっているともいわれます。しかし、もらった女性の中には「年月が経ち、どこに仕舞ったかわからない」という声も聞かれました。まぁ、歳月はときに残酷でもあります。

 そんな大切なボタンを最近はアクセサリーにして身につける人もいます。実際、第2ボタンでアクセサリーを作ったという20代のOLに話を聞きました。

 「昨年、第2ボタンを加工しました。ボタンの後ろ部分の糸を通すところが凸凹していたので、ペンチで切断した後、指輪の台に接着剤で貼付けました。青春時代の思い出がボタン指輪となってよみがえり、うれしかったですね」

コロナ禍でボタンアクセサリーがちょっとしたブームに?

 コロナ時代になって家にいる時間が増え影響か「ボタンでアクセサリーを作る人が増えました」と教えてくれたのは、神戸市中央区、阪急三宮駅東口から徒歩1分のところにある老舗のボタン専門店「トシボタン」の石田店長。

 お店には約1万点以上のボタンがぎっしり。洋服の服飾品として購入する人が大半ですが、最近はボタンでアクセサリーを作る人が増え、「アクセサリーになりそうなおしゃれなボタンの需要が高まっています」と石田店長は話します。店の一角にはボタンアクセサリーのコーナーもあり、想像以上に素敵なボタンアクセサリーが多く、目を引きます。

ボタンを再利用して、アクセサリーにしよう!

 春は卒業式だけでなく、衣替えの季節ということもあり、ボタンを再利用してアクセサリーにする人が特に増えるといいます。最近は、イヤリングや指輪の台などアクセサリーのパーツが専門店だけでなく、百円均一ショップなどでも手に入るようになりました。それもあってか、手作りする人がさらに増えたようです。「簡単に作れるのも、ボタンアクセサリーの魅力です」とは石田店長。

・指輪、ピアスやイヤリング、ブローチ、ペンダントトップ、カフスボタン…など、まず、どんなアクセサリーにするかを決めましょう。
・アイテムにあわせたパーツを用意しましょう。
・第2ボタンのように糸通し部分が突起していたら、その部分はペンチなどで取り除いておきます。
・後は接着剤などでボタンをパーツに貼付ければ、出来上がりです。

 たかがボタン、されどボタン。思い出のボタンも大変身です。

◆「トシボタン」神戸市中央区北長狭通1-30-5/営業11:00~18:00/火曜・水曜休

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