東北・北陸地方を1月に襲った記録的な大雪。北陸自動車道では約1800台もの車が立往生する事態となりました。テレビ局各社では、この立往生の様子を報道していましたが、災害級の大雪の影響はこれだけではありませんでした。富山県在住のMさん(50代・会社員)によると、大雪の峠が過ぎた後に身の回りで起きたことのほうが特に気になったといいます。
Mさんは記録的な大雪になる前日、大雪になるとの予報はテレビで見ていたものの、正直ここまでの大雪になるとは思っていませんでした。その日は深夜から翌朝にかけて深々と雪が降り積もり、朝起きてから大変なことになっていると気づいたのです。
大雪当日
大雪の影響で公共交通機関のほとんどは計画運休しており、かろうじて市内を走るバスが運行している状況でした。富山に住んでいる方の多くは、マイカー通勤をしています。Mさんも通勤にはマイカーを利用しているのですが、自宅から車を出すことができず車で片道25分の職場まで大雪の中、歩いて通勤することになりました。
通勤途中、車の事故や救急車・消防車のサイレンが鳴り響き、救急車は大雪による大渋滞に巻き込まれ思うように走ることができていませんでした。救急車を先に行かせたいと道路の端に車を寄せた瞬間、道と田んぼの境界がわからず車が田んぼに落ちてしまうという事態も起きていました。
スーパーから商品が消えた
大雪の峠が過ぎテレビで報道されていた車の立往生が解消した頃、スーパーから食べ物が消えていました。肉・魚・野菜などの生鮮食品はもちろん牛乳やパンなどもなくなっていました。
買い占めによるものではなく大雪の影響で流通がストップしてしまったことが原因でした。こうした状況は2~3日ほど続きました。
食べる物がなく近所の方と家にあるものを分け合ったり、近くの飲食店で食事をすることで食事をつないだそうです。
除雪された雪が細い道を塞ぐ
幹線道路や比較的交通量の多い道は、除雪車が入り大きな混乱があったのは1~2日ほどでした。しかし大きな道路に除雪車が入ると雪は道路の端に寄せられるため、細い道路から出る場所に雪がありそこから先に出ることができないという状況となりました。
また生活道路にも雪が大量に積まれ、車がすれ違うことができずにトラブルになることもあったそうです。
大雪に対する備えについて
災害に対する備えというと、地震や台風などを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかしMさんは大雪に対する備えはとても重要であると強く訴えていました。
食事などはある程度我慢することができますが、寒さは身体的な機能を低下させ精神的にも大きな負担を与えます。寒さをしのぐ対策がとても大切だと話されていました。
寒さ対策としてMさんがおすすめしてくれたものは以下の物です。
・貼るカイロ
・毛布
・手袋
・マスク
これらは家にはもちろん、万が一車が立往生したときのことを想定して車に常備しておくと安心だといいます。
また車のガソリンは半分ほどになったら給油することを日頃から習慣化することが大切です。実はMさんの旦那さんは、運送業の仕事をしており立往生に巻き込まれてしまったのです。ガソリンが無くなるのではないかという不安が精神的に一番つらかったとのことでした。
それ以外にも非常食や水、携帯電話の充電ケーブルなどがあると安心です。
大雪の被害にあった当事者だからわかること
テレビで報道されているのは被害の一部です。その地域で生活をしている人にとって本当に大変なことはライフラインが断絶してしまうことです。大雪の影響で道が閉ざされ孤立してしまった地域もありました。
日本は災害が多い国です。日頃から地域の特性を把握し、万が一に備えておきたいですね。