大阪に新団体&国内唯一のプロレス常設会場が爆誕 USJと吉本とプロレスはいつでもやってまっせ

杉田 康人 杉田 康人

大阪市を拠点にする新しいプロレス団体・コレガプロレスリング(CPW)が1月、旗揚げした。同市福島区に、最大で約600人収容可能な会場「コレガスタジオ」も同時オープン。日曜日をのぞく毎日、興行を開催している。

阪神電車に乗ってもJR大阪環状線でも、梅田(大阪)から2駅。野田駅から歩いて10分ほどの場所に、日本マット界唯一のプロレス常設会場がいきなり誕生した。1月19、20日のプレ旗揚げ戦を経て、同月23日にグランドオープン。連日午後6時から、民家やマンションが建ち並ぶ街のど真ん中でゴングが鳴る。

コレガプロレスとスタジオは、所属レスラーのザ・ボディガーさん(52)が設立、運営している。昨年11月末ごろ、工場跡地を紹介され「場所もいいし、USJにも近い。エンタメをする場所としてもいい」と即決。わずか1カ月あまりで、大型LEDスクリーンや2階VIP席が備わったプロレス会場を突貫で完成させた。

ボディガーさんは42歳でプロレスデビューした遅咲きすぎるレスラー。歯科技工士などをしながらボディビルに励み、全国大会で優勝したことがひとつの転機になった。日本一になったことで「これ以上、モチベーションを上げることがなくなった」と、ボディビルへの情熱が冷めてしまったという。

その頃、米国のプロレス団体・WWEのレスラーや技の多様性を目の当たりにし「プロレスで活躍できるのでは」という思いが頭をもたげた。40歳で大阪プロレスに入門。タイガースマスクのボディーガードとしてリングに登場し、2009年2月15日の大阪府立体育会館大会でデビュー。全日本プロレスにもレギュラー参戦し、現在はコレガプロレス唯一の所属選手としてリングで奮闘する。

2019年12月に、試合中に右大腿四頭筋を全断裂し約4カ月入院。その頃から、団体創設へ動き始めた。物件を探す中で、ボディガーさんが痛感したのはプロレスに対する世間の無理解だという。プロレスと聞いただけで断られることもあったと振り返る。

「なんとか若い人にプロレスを知って欲しい。月1~2回では浸透しない。USJと吉本、プロレスはいつでもやっている、と根付かせたい。毎日やっているというのが売り」と、高額なランニングコストをかけても常打ち開催にこだわる。開催曜日によって「ライジングナイト」と「スターズナイト」、土曜日は「サタデーナイトライジングスターズ」と銘打ち、ストーリーを展開していく。

現在はYouTubeで試合を生配信するほか、チケットはすべてネット販売。会場スタッフをバイトアプリで単発募集するなど、先進的な試みも行っている。ほとんどのプロレス団体が禁止している動画撮影もOKで、SNSでの拡散を呼びかける。

ボディガーさんは「コロナでろくなニュースがない中、元気を届けられるようになれば。知っていただくために、コレガプロレスを実際に見に来ていただきたい」と熱く語る。団体名の「コレガ」は、スペイン語で「仲間」や「同志」を意味する言葉。同志のレスラーとともに、大阪の地で「これがプロレス!」というファイトを見せる。

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