お鉢の中にうどんとそばが半分ずつ…
富山県高岡市のご当地グルメ「ちゃんぽん」がSNS上で大きな注目を集めている。きっかけになったのは富山県にお住まいのさうえささみさん(@SaueSasami)のTwitter投稿。
たしかにどちらもおなじみの麺類なのだが、それらをブレンドするという発想は画期的!しかも名前が「ちゃんぽん」とはいかに?さうえさんの情報提供に対し、SNSユーザー達からは「広島におけるお好み焼き(麺入りが基本)でダブル麺をする際にうどんと中華そばを一玉ずつ所望する呼称もちゃんぽんです。他にも1つ500円で食べられたデパ地下お好み焼きは中華そばに何割かうどんが自動的に入るものでした。」「これは「うそ」ですね(名古屋)」「ちゃんぽん=色々混ぜるという意味があるのであまり気にしないが、カステラとスポンジケーキを一緒にされると激怒する長崎人なら知ってる。」など数々のコメントが寄せられている。
高岡市の「ちゃんぽん」についてさうえさんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):高岡市ではこの「ちゃんぽん」はどれくらいメジャーなのでしょうか?
さうえ:富山県内ではうどんとそばをミックスした商品を提供しているお店が何店舗かあるようですが、それを「ちゃんぽん」と表示しているのは私が知る限りでは高岡駅などにある「今庄」というお店のみです。
たとえば石動駅の駅そば店「麺類食堂」さんでは「ミックス」という名前で提供されていますが、高岡在住の方でも駅をよく利用する人でないとあまり知らないと思います。
近隣にリンガーハットもありますので(イオンモール高岡店)、高岡市民にちゃんぽんと聞いて想像するのは長崎ちゃんぽんだと思います。
中将:高岡市の中でもちょっとコアなご当地グルメというわけですね…。さうえさんはこのチャンポンを味わったことはあるのでしょうか?
さうえ:一度か二度程あります。私の最寄りは高岡ではないので、今庄さんには片手で数える程しか行ったことないです。味わいとしては駅そばによくあるタイプのやわ麺で、出汁も甘めの醤油ベースで優しい味わいになってます。伊勢うどんほど柔らかくもありませんが、これを硬いと感じる人はまずいないと思います。
麺類食堂のつゆは今庄よりも醤油弱め昆布だしが少し強い関西向けのだしでした。
中将:反響へのご感想をお聞かせください。
さうえ:まず、ツイートでは「長崎県民に富山県高岡市の極一部に伝わるちゃんぽんを送りつけて激怒させる会」と表現しましたが、私と長年Twitterでフォローフォロワーの仲の方が何名かいますので、主にその方たちに冗談めかしてこのような表現をしました。決して本当に怒らせるつもりはないです。特にいつも美味しそうな長崎ごはん写真を上げてくれるたびさん(@mesotabi)にはとても感謝しています。
反応は「知らなかった」「(冗談として)これは戦争ですね」といった長崎方面と思われる方の反応と、日本全国のちゃんぽん情報提供が目立ちました。また、富山県在住と思われる方の反応でも「ちゃんぽん」を知ってる人3割程度といった感じで、知る人ぞ知るメニューだったのかなぁってのが正直な感想です。
特に日本全国からの「ちゃんぽん」情報の多さにはびっくりしました。個人的に驚いたのは愛知県のチェーン店「長命うどん」の「うそちゅう」(うどん+そば+中華そば)や、沖縄のチャンプルーを上にかけたようなご飯の「沖縄ちゃんぽん」が特にびっくりしましたね。沖縄ちゃんぽんに至っては麺類ですらなかったので…。
また「ちゃんぽん」ではありませんが、徳島には更にややこしい「スパゲッティ風うどん」という商品があるらしいので、ある意味これも「食べ物戦争案件」」だと思うので、まだ商品として存在するのであれば一度食べてみたいですね(笑)。
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「現在コロナ禍で自由に旅行も出来ない状況ですので、落ち着いたら是非北陸新幹線や北陸本線などで北陸に遊びに来られた際に食べに来てください」とさうえさん。
富山県と言えば関西、関東文化の合流地点と言われるが、「ちゃんぽん」はそんな文化性をよく現しているように思える。