息子がSNSに投稿した注目の「お笑い画像」…ウケていたのは「超汚い」うちの家 スマホめぐり止まらぬ親子げんか

長岡 杏果 長岡 杏果

シングルマザーの友人には中学生の息子さんがいます。思春期・反抗期の真っただ中なこともあり、意見がぶつかることも増え、彼女の口から親子げんかの愚痴をよく耳にするようになりました。そのほとんどはスマートフォンの使い方に原因があるようで、親の想像範囲を超えた使い方がたびたび問題となり、紛争が勃発しているようです。

「そんなルール、なかったじゃん」

ルールをいろいろと決めた上で、スマートフォンを与えたそうですが、手に入れたらしめたもの。息子さんは友達と初めてのLINEトークに大興奮。彼女は友達と嬉しそうにやり取りしている息子さんの様子を見て心配しつつも、ルールもしっかり決めたし、いきなりトラブルなんて起こらないだろうと思い、はしゃぐ息子さんをほほ笑ましく見守っていたそうです。

一方その頃、初めてのスマートフォンが楽しくてたまらない息子さんは、親の心配をよそにLINEのグループチャットでいわゆる「スタ連」こと、連続してスタンプを大量送信中。

すぐに息子の友人である親御さんから、その件で連絡がきたそうです。慌てて息子さんからスマートフォンを奪い、やり取りを確認しました。そして、果てしなく続く、息子さんが投じた大量のスタンプを目の当たりにしたのです。

陽気なキャラクターが表示されたトークルームを、延々とさかのぼれどもスタンプが続くばかりで、画面をスクロールする指が止まりません。ついには怒りで全身が震えたと言っていました。

連絡をくれた相手のお母さんと彼女は、子どもにスマーフォンを持たせるにあたり、最初のうちは楽しくてしかたがないというのも理解できるから、決めごとを守っているのなら「多少大目にみてあげよう」と互いに話したことがあったそうです。その相手から苦情が来るほどですから、どれだけ通知音がうるさかったかことか…想像しただけでクラクラしてしまいます。

彼女は怒り心頭に発し、親子会議となりました。元々親子で話し合って決めていたルールの「人に迷惑をかけたり、不快にさせたり、傷付けることはしない」に該当すると彼女は主張しましたが、息子さんの言い分は「スタンプをたくさん送ってはいけないルールなんてなかったからわからなかった」と。

「確かに、その文言はルールにはない…」と彼女は心で思うも、「考えたら迷惑なことくらいわかるでしょう!」と息子さんに言いました。ですが、顔が見えないからわからない、相手も楽しんでいると思った、こっちは音が出ないからわからないなど、息子さんの主張は止まらず、そんなに事細かに禁止事項作って注意していかないといけないのか、と彼女は途方に暮れたのでした。

ひとまずグループトークにお詫びの言葉を入れさせ、息子さんはそのグループから退出したそうです。

それからしばらくスマートフォンの使用をやめ、冷静に息子さんと話し合い、いろいろパターンを想定しながら、時間をかけてルールを作り直したと言っていました。

みんなに笑われていたのは…えっ、うちの室内のこと?

その後、使用を再開して間もなくのこと。彼女が仕事に行っている間に、今度はカメラのフィルタ機能を使って撮影した変顔などを送り合うのが流行りだし、盛り上がっていたそうです。

息子さんは友達から送られてきた写真や自分が送った写真を笑いながら、彼女に見せてくれました。その写真をよく見ると、背景に室内が映っていることに気付いたのでした。 

他の子の家はきれいに片付けられていましたが、息子さんの背景はゴミが散らかり、大量の洗濯物も映り込んでいて、シングルマザーゆえに多忙とはいえ、生活感あふれる室内の様子が各家庭に送られていたのでした。

自分と同じように子どものスマートフォンを監視をしているであろう、相手の親御さんにも見られていると思うと、恥ずかしいというレベルではないですし、穴があったら入りたいという心境です。

再び怒りだした母を尻目に、息子さんは恥ずかしいこととは思っていないようで、叱ってものれんに腕押し状態。

「お前んち汚ねぇw」、「片付けろってwww」なんて友達にいじられて、むしろおいしいネタを提供できたと得意顔なので、これもまた意識合わせの親子会議が開催されたのだそうです。

   ◇   ◇

家庭でルールを決めてはいるものの、守れるのはわずか一瞬のこと。

どんどん知恵を付ける子どもはルールの盲点を見つけては、口答えしてくるというのです。

無邪気で単純な男の子に、ルールの応用を判断させることの難しさから、さらに細かく膨らむルールですが、いたちごっこのような現状では、まだまだ親子喧嘩は絶えそうにありません。

我が家は娘なので男女の差は多少あるかと思いますが、近い将来のことを考えると、なんだか他人事では済まされないような気がしています。

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