学校トイレの洋便器率に全国格差 富山は79%だけど、島根は35%

浅井 佳穂 浅井 佳穂

 学校のトイレと言えばどんなイメージでしょうか?暗くて、きれいじゃない。そして和式-。文部科学省はこのほど、全国公立小中学校の洋式トイレの普及率を発表しました。それによると、2020年9月1日時点の普及率は57・0%とのこと。みなさんの小学校、中学校時代のトイレは和式でした?洋式でした?

 文部科学省は、2016年に公立学校での洋式トイレの普及率「洋便器率」を初めて調査しました。初回調査の洋便器率は全国で43・3%でしたが、2回目となる今回は13・7ポイント上昇し57・0%となりました。ようやく、全国の小中学校にあるトイレの過半数が洋式になったというわけです。

 しかし、なぜ文部科学省は洋式トイレの普及率を調べているのでしょうか。きっかけは2016年の熊本地震です。被災して学校に避難した高齢者らから、トイレの洋式化を求める声が上がったといいます。現代の住宅では洋式トイレが当たり前になっています。このため、避難した住民も使いやすいよう、国は学校のトイレ改修工事に対して費用の3分の1を補助しています。

 さて、全国平均の洋便器率は57・0%ですが、47都道府県ではばらつきがあります。最も洋便器率が高いのは富山県で79・3%でした。

 ちなみに2番目は東京都で71・1%でした。東京都のうち23区だけで見てみると、どうなるでしょうか。最も洋便器率が高いのは荒川区の99・4%です。区内には1663の便器がありますが、和式トイレはわずか10基しかありません。

 一方、最も洋式トイレが普及していないのは島根県で35・3%でした。なぜなのでしょうか。島根県教育委員会の担当者は「学校施設の耐震化とエアコンの設置を優先してきたため、トイレ改修はどうしても後回しになってきました」と明かします。

 その上で「エアコンの整備は一段落したので順次、洋式トイレ設置が進む可能性があります。今後は洋便器率は上昇していくと思われます」と強調しています。次回の調査が楽しみです。

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