コロナ禍の就職活動には根気が必要…職業訓練でスキルアップを図るも、何度も不合格になり心揺らぐ日々

長岡 杏果 長岡 杏果

これは私の高校時代からの友人、Aちゃんの話です。Aちゃんは2人の子どもを持つシングルマザーで、何気ない日常の中から楽しいこと見つけることがうまく、一緒にいると周りも笑顔になってしまう素敵な友人です。同じシングルマザーとして悩みを共有しながら、家族ぐるみで仲良くしていました。

コロナ禍に失業も、職業訓練でスキルアップ

新型コロナウイルスが流行する前、昨年の秋。Aちゃんから体調不良を理由に勤めている会社を退職したいんだ、と相談を受けました。しかし、失業後に雇用保険を受け取るには、自己都合退職の場合、3カ月の待機期間を乗り切らなければなりませんでした。シングルマザーで子ども2人を育てながらの生活を考えると不安が残ります。ですが、新しい職場を探すにも体調が伴わなければ難しく、不安や迷いもあったものの、体調の回復を優先してAちゃんは退職の道を選択することにしました。

Aちゃんの退職後、あっという間にコロナウイルスが日本中に蔓延しました。その影響を受け、特例で自己都合退職でも待機期間なしでの雇用保険受給が認められました。その報告を受け、私が安心をしたのもつかの間、将来のことを考え次の就職先では「事務員になりたい」とAちゃんから相談を受けました。

Aちゃんは販売や福祉関連・製造業などで働いてきたため、事務経験がなくパソコンに関してはまったくの初心者。それでもAちゃんから「どうしても事務関係の仕事がしたい!」という強い意志を感じ、私は「職業訓練」を受けてみてはどうかと勧めました。公共職業安定所で受講できる職業訓練は、(1)雇用保険受給資格があること、(2)受給残日数が既定の日数(会社都合1日以上・自己都合31日以上)残っていること…など、さまざまな条件がありますが、入校試験に合格し受講できるとなれば、受講期間中に受給日数が終了しても受講終了までは延長して雇用保険を受給できます。

Aちゃんはさっそく申し込みをして無事に合格し職業訓練に通い始めました。最初こそ自信もなさそうだったAちゃんも、受講中に取得できる資格を3つ中2つを取得。取得できなかった資格はコロナ禍の影響はあり、集団で会場受験しなけばならない試験は受講期間には開催されないということになってしまったそうです。それでもAちゃんは「その分は次の11月に受験する!」と頼もしく言っていました。

コロナ禍の就職活動には根気が必要

職業訓練終了後は就職先を探すことになるのですが、コロナ禍で求人が減少してしまいなかなかいい職場が見つからないと焦るAちゃん。私も何度も相談にのっていましたが、「目の前の求人に飛びついて、やりたかったことじゃない仕事に就いても続かないよ?もし、辞めてしまったら今度は年齢制限に苦しむことになるかもしれないし、焦る気持ちもわかるけど落ち着いて探していこう」と伝えました。

Aちゃんが主に利用したのはインターネットの求人サイトと公共職業安定所の求人でした。何度も書類審査や面接で不合格になり「経験がないからなのかな」と悩んでいましたが、その後、県で行っている非常勤事務職員に就職することとなりました。今では楽しそうに職場での話を聞かせてくれています。

コロナ禍の中で就職先を決めるのはとても根気のいることです。しかし諦めずにいまを「準備期間」と捉え自分磨きの時間としてみるのはいかがでしょうか?

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース