新型コロナウイルスの感染再々拡大が止まりません。と同時に、職場で、学校で、地域で…感染者への心ない態度に、体だけでなく心まで痛めつけられる人も少なくありません。ですが、店員の感染でやむなく休業したスターバックスの窓を埋めたのは、店員の快復と店の再開を祈る優しい貼り紙でした。
「いつも明るく優しい対応で待っていてくれるのが当たり前の日常でした。感染した方の回復を祈り、また当たり前の日常が戻ってくることを願っています。コロナニマケルナ」
「誰が感染してもおかしくないですよね。元気になったらまた、美味しいコーヒー入れて下さいネ!」
Twitterユーザーのさとさとさとち(@satosato_3104_)さんが、通勤途中にあるスタバの貼り紙に気づいたのは11月下旬。「付箋が貼られたのは、店舗の消毒や安全確保のため一時閉鎖するとの告知がガラス扉に出された3日ほど後だったと思います。初めは1枚で、次の日には3枚以上貼ってありました」といい、日に日に増えて営業再開前日には、30枚近くに。常連客だけでなく「通りすがり」という主婦やOL、高校生まで…どれも店員を気遣い、再開を待ちわびるメッセージばかりでした。
「スタバと言ったらここ!というくらい、仕事帰りに飲みたくなったら行っていたお店でした。仕事前、休日の朝に仕事をしながら、読書をしながら一杯飲んで行かれる方がとても多いお店だったので、もし私だったら『せっかく朝早く家を出てきたのに朝の楽しみがしばらくなくなってしまった…』と少し恨んでしまうかもしれないのに、こんなにもたくさんの人が温かいメッセージを送っていて…」とさとさとさとちさん。
「日本にはこんなにも優しい人がたくさんいるということをたくさんの人に知ってもらいたい」とツイートしたといいます。
スターバックス コーヒー ジャパン広報部によると、店員の感染などで休業する際には店舗やホームページで逐次告知しており、過去にもこうした寄せ書きが寄せられたことがあるそうです。
「最初は緊急事態宣言の頃だったと思います。『お帰り』『早く飲みたかった』などの温かいお言葉を頂き、お客様の日常にコーヒーがあったのだと胸が熱くなるとともに、それぞれの店が、こんなに多くの方に支えて頂いているんだと励みになりました」と担当者。
「いつ出勤されていたの?」といった不安の問い合わせはあったものの、これまでに誹謗中傷のたぐいは一切無いといい、「目に見えないウイルスですから、もし感染が判明した場合はすぐにお店を閉め公表し、普段からも感染防止のため座席にプレートを置いたり席を減らしたり厳しい対応を取ってきましたが、これからもこうしたお言葉を支えに頑張っていきたいと思います」と力を込めます。
冒頭の店舗では再開の日、店員たちが寄せられた貼り紙をボードにまとめ「休業中、たくさんのメッセージ、本当にありがとうございました!お客様とのつながりを今後も大切にしていきます」と記し、感染予防対策徹底を誓っていました。