「プロの品質とプロの価格」を掲げ、11月に全国888店舗を達成した「業務スーパー」の営業車が注目を集めています。正式名は水ようかんカー。車体は緑色の“業ス―”カラー。屋根の上には巨大な水ようかんのパッケージが鎮座します。
SNS上には「水ようかん載ってる車見た!」「近所に水ようかんの車止まってる」「見たらラッキー?」等、巨大な水ようかんを背負った車の目撃情報が続々。黄色い新幹線ドクターイエロー並みの盛り上がりを見せる、謎多き車の秘密に迫ります。
業スー「水ようかん」とは
同社のプライベートブランド商品「水ようかん」は、牛乳パックスイーツシリーズの中の1つ。パックに入った内容量1キログラムのジャンボサイズは人数にして7、8人分。冷やすと水ようかん、電子レンジで加熱するとおしるこになります。
水ようかんカーの役目は?
同スーパーを展開する神戸物産(本社・兵庫県加古郡稲美町)の担当者に話を聞きました。
――「水ようかんカー」の誕生はいつですか。
「2016年9月頃に作りました。初期は開封されていない牛乳パックでしたが、翌年3月に水ようかんを牛乳パックから出している様子のモチーフに変え、グレードアップさせています。ベースの車は最初から同じものを使っているので、水ようかんの形は変わりましたが初代のままです」
――どなたの発案ですか。
「当時の西日本商品MD部販促担当者です。業務スーパーのプライベートブランド商品である水ようかんは非常にインパクトがあるということで、SNSをはじめいろいろなところで話題にしてくださっていたので、その水ようかんをモチーフにした宣伝カーを考えました」
――どのような場面で使用を。
「店舗指導をしているスーパーバイザーが、通常の店舗巡回時の営業車として使用しています」
「セール時期にはセール告知の音源を鳴らしながら、店舗巡回時にセール宣伝も兼ねて使用しています。また、関西ではおもちゃ王国様のイベント『はたらくくるま』に参加させていただいたり、CSR活動の一環でチャリティー音楽フェス『カミングコウベ』でも展示させていただいたりしています」
――運転中や駐車した時、周囲の反応は。
「主にスーパーバイザーが運転していますが、みなさん笑顔で声を掛けていただいたり、写真を撮影していただいたりします」
「見たら幸せに」は本当?
――「見たら幸せに」という声もあるようです。
「SNSで『幸せになれる?』という取り上げ方をしていただいたのは存じておりますが、特に弊社としてPRしている説などはございません」
都市伝説が生まれるあたりも車のレア度を物語っています。さらに担当者はとっておきの秘密を教えてくれました。
「実は、車内に温冷庫を完備しています」
――中には何が。
「サンプリングとして夏は水ようかん、冬はおしるこを提供できるように完備しました。現状では試食などは許認可等の関係で活用はできていません。いつかどこかでサンプリングに出合えるかも」
さらにもう1つ秘密がありました。
「夜は水ようかんが光ります」
――ますます実物を見たくなります。出没しやすいスポットは。
「東日本FC事業部のスーパーバイザーが乗っていることが多いため、横浜市近辺でしょうか」
宣伝カーのプロが制作
手掛けたのは宣伝カーや移動販売車などの制作を行う中井工芸社(大阪府交野市)。電気自動車の日産リーフをベースに、後部座席やパーツなどを取り外し大胆にカット。屋根に載せた巨大な水ようかんは内容量1トンサイズ。約1万人分のようかんが入る計算です。パックからようかんがトゥルンと飛び出す様子が見事に再現されています。