お笑い芸人がインターンにやってくる?!企業の魅力をPR動画で伝える事業を生み出したのは元芸人だった

桑田 萌 桑田 萌

 いつもテレビで見ているお笑い芸人が、うちの会社に「インターン生」としてやってくるーー?!
 それを動画にすれば、会社の魅力が勝手に引き出され、「ここで働きたい」と思う求職者が増える……。そんな「エンタメ×ビジネス」を融合した仕掛けを行なっているのは、元お笑い芸人の中道正彦さん。彼は株式会社フラワーズロマンスを経営し、「芸人インターン」という事業を行なっている。

 現役のお笑い芸人は、誰よりも「物事の魅力を引き出す力」に長けている。求職者を募る企業がPR動画に芸人を登場させ、「この会社おもろそうやな」「働きたいな」と視聴者に感じてもらう。こうして企業と求職者のマッチングを促すのが目的。

 そんな「日本初」の事業を生み出すことができたのは、芸人経験のある中道さんだからこそ。彼は2016年までの13年間、劇場でのレギュラー出演や、テレビ番組の前説など、数々の舞台を経験。しかし自らの力に限界を感じたことでコンビを解消し、引退した。

 その後のセカンドキャリアについては、「今まで好きなことばかりやってきたので、今さらサラリーマンになれるとは思っていなかった」と語る中道さん。「それなら経営者や」と心に決め、起業した。

 「お笑い芸人は2つの魅力がある」と中道さん。1つ目は、コミュニケーション能力がずば抜けて高いこと。そして2つ目は、イベントなどのプロデュースやディレクションを行うスキルが身についていること。いずれも中道さん自身が芸人時代に培った力だ。

 スキルをもつ芸人を、企業向け事業に起用する。芸人は自らの力を発揮できるし、企業側は今までにない「おもしろい」動画を通して自社の魅力を発信できる。それが芸人インターンの魅力なのだ。

 PR動画は、まるでバラエティ番組のロケのように撮影が実施される。中道さんが指示を出し、実際にカンペも見せる。筆者の取材時にインターンを行なったのは、お腹を使った「音芸」が持ち味のゆんぼだんぷだ。

 お笑い芸人にしかできない、魅力を引き出すPR動画。人々が「おもろい!」と感じる企業が、どんどん世に出てくるに違いない。

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