なぜペット専用の「羽毛布団」を販売しているのか? きっかけはある飼い犬の行動だった

國松 珠実 國松 珠実
斜め45度の上目遣いで「ここが私の指定席!」 ペット用羽毛布団スクエア型(提供:キムラ)
斜め45度の上目遣いで「ここが私の指定席!」 ペット用羽毛布団スクエア型(提供:キムラ)

 ふかふかの布団の上で気持ちよさそうにしているワンちゃんやネコちゃん。「見ているだけで癒される」と見ているこちらも笑顔になる。そんな彼らの愛らしい表情は、羽毛布団のおかげ?!写真の布団は、人が使う羽毛布団と同じ素材で作られたペット専用の羽毛布団だ。贅沢と思う人もいるかもしれないが、ペットを家族の一員と考える飼い主は多い。社長の木村祥和さんに話を聞いた。

 動物はふかふかがお好き!?好みのタイプが選べるペット専用羽毛布団

 寝具メーカーのキムラ(京都府八幡市)は、日本でも数少ないペット専用の羽毛布団の製造、販売を行っている。昭和46(1971)年に、人が使う高級羽毛布団の会社として創業したが、2003年にそのノウハウを生かし、ペット専用布団も作り始めた。羽毛ベッドをはじめ、ベッドにも寝袋にもなる2wayタイプが人気だそう。ベッドに屋根のようなカバーがついたタイプも人気だ。

 ペット専用の羽毛布団制作には、他社のペット用布団を参考にしながら動物の動きや習慣、さらにペットの喜ぶツボなど、あらゆる習性や習慣を研究。またプロのドッグトレーナーの意見も参考に設計した。柔らかい羽毛布団で厚みをもたせた形の形成に苦労したが、完成した商品はこれまで返品もなく、リピーターも多いそう。またゲージに合わせた形や、飼い主の希望に合わせたオーダーメイド商品も作っている。

 きっかけは「犬が布団を持っていく」

 ところで、なぜペット専用の羽毛布団を作ったのだろう?

 きっかけはお客からの「夜中にうちの犬が、私の羽毛布団を取って自分のものにしてしまう。風邪を引いてしまうから、犬用の羽毛布団を作って欲しい」という相談だった。犬はゴールデンレトリーバー。困ったと言いつつ、前両足で羽毛布団をパフパフする姿がかわいいと相好を崩す。そこで人用の布団の半分のサイズで作ったところ、大変喜ばれた。「私も犬を飼っているのに、ペットに羽毛布団の需要があることに気づきませんでした」と木村さんは笑う。

  質の良い睡眠は、人同様にペットの免疫力アップにもつながると語る木村さんは、飼い主とペットという縁で結ばれた生活を、一日も長く続けていただきたいと願っている。「そのためには、互いの健康が一番!高品質の羽毛布団は柔らかく、通気性も十分で蒸れにくいから、快適に眠れます。特にポリエステルなどの人工物は、鼻の利く動物には気になるもの。ストレスのない布団作りを心がけています」。

  ペットの誕生日に、また高齢で寝たきりになったワンちゃんが快適に休めるようにと購入するお客もいる。また厚みのある布団にうまく乗れないワンちゃんのために、オーダーメイドで別途スロープも作った。「自分よりペット優先。そんな飼い主様に、必ずご満足いただけます」と語った。

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