猫の食器、その高さで大丈夫? 獣医さんのツイートに「知らなかった!」の声が続々

万代 佳世子 万代 佳世子

猫を飼っている人には当たり前の日課である、猫のお食事タイム。キャットフードにこだわっているという方は多いですが、食器はどうでしょうか?

「言われてみれば当たり前のことなのですが、食器を食べやすい高さにしてあげましょう。特にお年寄りの猫ちゃんにとって、頭を下げてかがむ姿勢はしんどいのです。また、食道が折れ曲がり、腹部が圧迫されるので、食後にフードを吐きやすくもなります。食器台や脚付きの器で高くしてあげましょう!」というツイートが投稿され、話題になっています。

確かに言われてみればその通りですが…意外な盲点! 投稿された、自身も猫と暮らす獣医師のにゃんとす(@nyantostos)さんに話を聞きました。

──今回のツイートをされたきっかけは?

これまでの臨床経験や情報発信をしていくなかで、食器を高くするだけで食後の嘔吐が改善されたり、ご飯や水をあまり食べてくれない・飲んでくれないシニアの猫ちゃんが以前より食べたり飲んだりできるようになったケースが多くありました。実際に私が飼っている猫も食いしん坊の早食いで、一気食いしてしばらくして全部吐くことがありましたが、食器を高くするだけで食後の嘔吐は激減しました。「食器を高くする」という非常に簡単な解決策なので、多くの飼い主さんの悩みが解消されれば良いなと思い、ツイートしました。

──高さの合わない餌皿での食事を続けていると、どんな悪影響がありますか?

猫はそもそも嘔吐しやすい動物で、ネズミなどの小動物を丸呑みして、消化できない毛などは吐き出していました。そのため、食後の嘔吐が続くこと自体がその後の猫の健康に大きな影響を与えるかというと、その可能性は低いと思います。ただ、嘔吐するときは猫も苦しいはずです。なるべくなら、吐く回数を減らしてあげたいですよね。

一方、シニアの猫のほとんどは程度の差はあれど関節炎を発症していると言われています。前にかがむ姿勢は関節に負担がかかり、食べにくいですし、痛いんですね。そうなってくると、ご飯を食べたり、水を飲んだりするのが嫌で面倒だと感じるようになってしまいます。高齢の猫ちゃんの場合、食事量が足りず体重が落ちたり、脱水症状が続くと、他の病気のリスクになる場合があります。

──食器の高さで食欲を無くしてしまうこともあるんですね…!では、理想的な高さの目安は?

猫の体格にもよると思いますが、目安としては首がまっすぐになるくらいの高さがあれば良いと思います。まずは試しに空き箱などで高さをつけてみて、愛猫にぴったりの高さを見つけてから、脚付きのフードボウルや食器台の購入を考えると良いかもしれませんね。

にゃんとすさんのブログでは、食器選びのポイントについてさらに詳しく解説。雑菌が繁殖しにくく、重量もある陶磁器製のものがおすすめだそうです。

──ほかにも、猫の食事にまつわる注意点などはありますか?

これからの時期はフードが傷みやすくなるので、特にウェットフードの食べ残しはすぐ片付けるようにした方が良いです。例えば、朝は食べ残しても大丈夫なようにドライフード、ウェットフードは飼い主さんが家にいる夜に与えるなど工夫してみると良いでしょう。

また、ドライフードを冷蔵庫に保存している方が結構いらっしゃいますが、これはNGです。何度も出し入れするので温度変化により結露が生じ、カビが生える場合があります。また別の容器に移して保管する方がいますが、容器の匂いや味が移ることがあるので、無理に移す必要はありません。袋ごとフードコンテナなどに保管しておくのがお勧めです。

「キャットフードに関するネットの記事は無駄に不安を煽るものが非常に多いので鵜呑みにせず、情報元はあるか、発信者は信用できるかなど正しい情報かどうか見極めてください」とにゃんとすさん。自身のブログではフード選びや猫トイレに関する情報、病気の見極め方なども紹介しています。

■にゃんとすさんのブログ:げぼくの教科書(https://nyantos.com/

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