空に特大のソフトクリーム?「まるで生きてるよう」…朝焼けの富士山に巨大な「吊るし雲」

広畑 千春 広畑 千春

 「すごいシーンに出逢ってしまった!」

 18日午前、そんなつぶやきと、朝焼けの富士山を背に空に浮かぶ、巨大な雲の写真がネット上で話題になりました。

 それは、「吊るし雲」といわれる、不思議な雲。富士山写真家オイさんが、自身のツイッターアカウント(@fujitomo_photo)に投稿したところ、その巨大さや、朱や紫に染まった幻想的な光景に、「赤ちゃんのおくるみみたい」「クロワッサン?」「綿菓子みたい」とコメントが。まるで生き物のようにうねる動画も「本当に巻いてるんだ」「ソフトクリーム?」「自然の驚異」と反響を呼んでいます。

 吊るし雲は、富士山では度々みられるそうですが…、オイさんに聞きました。

―これを撮影されたのは?

「山梨県富士吉田市内で、時間は5時半ごろです。北側に低気圧があり、強い南西風の場合に出現しやすいので、天気予報は見ていたのですが、直前まで吊るし雲の出現には気付かず、朝焼けの頃に慌てて撮影しました」

―これまでにも色々な吊るし雲を撮影されていますが…。

「僕は今34歳で、20代の時に富士登山をしたのがきっかけで富士山の魅力に取りつかれ、10年ほど富士山を撮り続けています。今朝のものは、かなり大きな吊るし雲でした。出るときは大体いつも同じ場所に出現します。今回のように朝焼けに染まることは珍しく、とくに今朝は色が深く美しかったです」

―富士山の魅力は?

「富士山はとにかく表情が豊かで、見る場所や天気により様々な顔を見せてくれます。何年撮ってもまだ知らない表情があるので、これからも追求していきたいですね」

 と話してくれました。

 気象庁の天気相談所によると、「吊るし雲」は独立峰でよく見られ、湿った空気が山の斜面を上って反対側に吹き降りる際、地上まで降り切らずに上昇と下降を波状に繰り返しているときにできるといいます。この日は低気圧や秋雨前線に向かって湿った強い南西風が吹いており、さらに上空の風が強ければレンズ状に、弱ければモコモコとソフトクリームのように盛り上がるといいます。

 通常の雲と違って風に流されず、同じところにプカプカ浮いているのが、空に吊るされているように見えるのがその名の由来とも。富士山のような独立峰では単体ですが、山脈などでは等間隔の「波状雲」ができることもあるそうです。

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