◆『小笠原流諸礼大全』に書かれた箸使い
「△移り箸 是は焼物を喰ふて直に煮物へ移るをいふ也。すべて菜は一種づつ喰ふべし」
「△もぎぐひ これは箸に付たる飯粒を口にて取をいふ」
「△ねぶり箸 是も右に同じ箸を深くねぶるをきらふ也。当時茶の湯者の箸を口音高くねぶるはあしき事也。慎むべし」
「△こみはし 口中へ箸にてをし込む事」
「△こぢ箸 煮物汁の実などの下に有物をこぢ起てくふ事」
「△さぐり箸 まだ何ぞ有やと探みる也」
「△まはし箸 香の物にて湯菜の中をぐるぐると廻すをいふ」
◆「日本礼儀作法」にある食事マナー(抜粋)
「箸なまり」…鯰を食おうか、煮物を食おうかなどと、ぐずぐずと見合わせること
「にぎりこ箸」…箸についた飯粒を、もう一方の箸で落とすなどいうこと
「もぎぐい」…箸についた飯粒を口で取ること
「こみ箸」…箸で口の中に押し込むようなしぐさをすること