コロナ禍で打撃のフィットネス会社、動画配信に活路 リモートワーク中の健康維持にも

黒川 裕生 黒川 裕生

新型コロナウイルスの感染拡大により深刻な打撃を受けている姫路市のフィットネス会社が、企業向けの運動動画配信サービスという新しい分野に活路を見出そうとしている。椅子に座って手軽にできるエクササイズなどを紹介。職場の意識改善や、リモートワーク中の健康維持に役立ててもらいたいという。

会員制のダイエットクラブ「BRA」とフィットネススタジオ「ワンズフィット」を運営する株式会社BRAの新規事業。筑波大学の体育専門学群で学んだ代表取締役の桝野啓介さんが、肩こりや腰痛、足のむくみなどをケアする運動の見本を示す15分ほどの動画を週2回、有料で配信する。桝野さんは「個人向けの動画は多いが、働く人を対象にしたものはまだまだ少ない。コロナ禍でオンライン化が一気に進んでおり、需要はあるはず」と話す。

コロナ禍により、各種スポーツジムは軒並み売り上げを大きく減らした。BRAの2店舗も4、5月は休業を余儀なくされたため、収入はストップ。6月から換気や消毒などを徹底した上で営業を再開したが、休会したままの会員も少なくない。新規入会もやや増えたとはいえ、店舗の利用者数はコロナ禍前の7割程度にとどまるという。

桝野さんは「2009年に起業してから順調に事業を継続してきましたが、今は人の間隔を空けるために人数の制限もしなければならない。このままコロナ禍が長引くと経営的にかなり厳しいですね」と明かす。

フィットネス業界はここ数年、24時間使えるスポーツジムが各地にオープンするなど、拡大を続けてきた。桝野さんは「これからも必要とされる業種であることに変わりはないですが、コロナ以降は新しいスタイルが求められるでしょう。苦しくても今は逆にチャンスなんだと考えを切り替えたい」と先を見据える。

企業向け動画「JoyトレOffice」は1社につき1アカウント、月額13200円(税込み)。従業員が何人いても、1アカウントで全員それぞれのスマホやタブレット、パソコンでいつでも動画を見ることができる。桝野さんは「職場の朝礼や休憩時間、仕事を終えた後のストレッチなどに使ってほしい。テレワークをしている人にもぴったりですよ」とPRする。

◾️公式サイト https://joy-tr.com/

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