ベトナム人の昼寝にかける情熱が話題になっている。
きっかけはベトナムで建築設計事務所を営むYAMADAさんによるTwitterへの画像投稿。画像にはオフィスとおぼしき一室で、所狭しと寝転ぶ人、人、人……。まるで事件か事故の現場かのような異様さだが、実はコレ、お昼休みにベトナム人スタッフが一斉に昼寝をしている光景なのだ。
YAMADAさんのツイート
「一見すると野戦病院か死体安置所にしか見えませんが、ベトナム人の昼休み中の昼寝に対する全力っぷりは目を見張ります。」
日本のオフィスでもお昼休みに机でうたた寝する人はいるが、ここまで堂々と「寝てます!」となってる人はほぼ皆無。この光景についてYAMADAさんにお話しをうかがった。
中将タカノリ(以下「中将」):ベトナムではお昼休みに昼寝をするのが一般的なのでしょうか?
YAMADA:ベトナムでは一般的に昼休憩が長く、昼寝も込みという風習なんです。私の前職では昼休憩は1時間半ありましたが、30分ご飯、30分雑談、30分仮眠という風に使う方が多かったですね。
はじめて昼寝するところを見た時は、みんな突然ゴザを引き始めたりしだしたので何が起きたのかとびっくりしました。よく見たら日本人上司も当然のように寝始めたので笑ってしまいました(笑)。
中将:昼寝は効率アップに寄与していると思われますか?
YAMADA:してます。というより、僕も昼寝がないと午後の作業に集中できない体になってしまいました(笑)。
中将:全職の上司の方と言いYAMADAさんと言い、すっかりベトナム流が身についてしまったんですね(笑)。仕事をする上で日本人とベトナム人の国民性の違いはどのようなものですか?
YAMADA:日本人にとっての"プロ"が何が何でもクオリティの高いものを作り出すことだとすれば、彼らにとっての"プロ"は、休憩も睡眠もしっかりとって就業時間内に仕上げることなのかもしれません。
◆YAMADA(山田 貴仁) 建築設計事務所anettai Co., Ltd主宰者。建築家、3Dデザイナー。2014年よりベトナムの建築事務所 Vo Tong Nghia Architects勤務。2019年、anettai Co., Ltd設立。トロピカルな建築を得意とする。日本からも発注可。
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思わぬきっかけで有名になったベトナム人の昼寝習慣だが、SNS上ではおおむね好意的にとらえられているようだ。
新型コロナウイルスの影響で世界各国が経済不振に陥る中、プラス2.8%という驚異的なGDP成長率を叩き出すなど絶好調のベトナム経済。日本人も休む時はもっとしっかり休んでリフレッシュしたほうが、より豊かで効率のいい社会生活を営めるのかもしれない。