かつての超有名レンタルビデオ店が条件付きで宿泊可能に!?「絶対行きたい!」と全米が夢中な理由

今井 悠乃 今井 悠乃

 ストリーミング配信がメインになる前は至る所にあったレンタルビデオショップ。見たい映画や聴きたい音楽があれば、みんな急いで近くの店舗をのぞいたものです。アメリカで最も有名なビデオ・DVDレンタルチェーン店といえば「ブロックバスター(Blockbuster)」。2004年のピーク時には世界中で9000店舗以上を展開するなど、まさに業界の王者。全米でも3000店舗を構え、ハリウッド映画にも“出演”するアイコン的存在でした。

 私も学生時代住んでいたアパートの近くに店舗があったので、週末になるとよく通ったものです。しかし、インターネット動画サービスに人気を奪われ、この「ブロックバスター」は2010年に倒産の道へ。あっという間に店舗は消えてなくなり、2018年にはオレゴン州ベンドの店が全米最後の店舗となりました。そして現在、世界最後の店舗である同店が、全米のメディアで話題になっているのです。

 その理由は、店長がこの店舗を宿泊施設、民宿や空き部屋を貸し出すウェブサービス「Airbnb(エアービーアンドビー)」に載せたから。SNSで写真を見た人たちはたちまち「懐かしい」「絶対に泊りたい!」と興味津々ですが、残念ながら誰でも宿泊できるのではなく「条件付き」なのです。

(1)予約対象日は9月18日~20日の3日間のみ
(2)地元デシューツ郡の住民のみ利用可能
(3)マスクの着用+ソーシャルディスタンスを保つこと
(4)家族・同居者以外での利用はNG

 宿泊代は1泊がなんと4ドル(約420円)。通常、DVDのレンタル料金は3.99ドルだったので、つまりたった1セントを足せば、泊まれる上に好きな映画が見放題というわけです。

 長年、この店舗を支えてくれた地元の人たちに感謝の気持ちを込めて企画されたイベントが、パンデミックで不安な日々を過ごす住民たちに元気を与えてくれるといいですね。時代の流れを感じつつ、そんなことを願いました。

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