難病と闘う猫のハル 「ずっと元気でいてほしい」家族が一つとなって懸命の介護続ける 

佐藤 利幸 佐藤 利幸

滋賀県近江八幡市「キャットクリニック」小宮みぎわ獣医師の話

ガングリオシドーシスという病気は、人間にもあり、犬、猫、牛、豚、羊などでもこの病気が確認されています。

見た目が他の子と何か違う…といった身体の作りが違う病気ではありません。生命活動を行う上で、身体の細胞内で行われる代謝がうまくいかない病気です。なぜうまくいかないのかというと、脂質,たんぱく質や糖を代謝する際の『酵素』がないのです。

ですから、その酵素がAという物質をBという物質に変えるものだとすると、Aが異常に体内に蓄積して、Bが欠乏していきます。そして徐々に身体を蝕んでいきます。どこのどの酵素が欠けているのか?足りない酵素はひとつだけなのか?により、症状や重症度や寿命が変わってきます。

しかし、そもそもこのガングリオシドーシスという病気自体が非常に稀な病気です。細胞内のミクロの異常な病気です。ましてや猫のガングリオシドーシスともなると、あまり研究がされておらず何歳まで生きるのかも、前例も少ないのではっきりしたことはわかっていません。

治療法も、そのAをなるべく貯めないようにしてBを補給すれば良いというのは理論ではわかりますがなかなか現実はうまくいきません。この病気にかかってしまった猫ちゃんは、本当に残念ですが、余り長くは生きられないと考えられます。

それでもいっぱいの愛情を注いで、栄養のある食事、ストレスのない生活で、少しでも長く生きることは可能であると思います。応援しておりますので、介護を頑張ってください。

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