大阪王将の看板に書かれた餃子の発祥に関するエピソードが怖すぎると話題になっている。
件のエピソードとは
「清の太祖は、若い時分のある大みそかに、凶悪な怪物を退治して村の厄を取り除いたのだそうです。
その折村人はたいそう喜び、その肉を刻み、小麦粉の皮に包み食べたのだそうで、餃子の元祖ということです。」
というもの。
退治した怪物の謎肉で作ったものが餃子の元祖だったとは……たしかに怖すぎ。
ひにしあいさんのツイート
「餃子の元祖、こわすぎるだろ https://t.co/bllz5sRurx」
このエピソードは満州地方(現・中国東北部)の伝承として古くから知られているもののようだが、実際には餃子は清が成立する17世紀よりはるか以前から存在しており、あくまで「お話し」であると思われる。大阪王将はなぜこんな怖いお話しをわざわざ看板に掲げているのだろうか?
その謎に迫るべく、大阪王将を運営するイートアンド株式会社の広報ご担当者にお話をうかがった。
中将タカノリ(以下「中将」):餃子の発祥にはいくつかの説があるようですが、なぜわざわざこの怖いエピソードを採用されたのでしょうか……。
担当者:確認したところ、創業時(1969年)にはすでにこの餃子の元祖についての文言を掲げていたようですが、昔のことになりますため社内で回答できる者がいない状況です。
中将:わ、わからないんですね……残念!
担当者:ご質問いただいたのに申し訳ありません……。
この文言はニューモデルの出店とともに、一時期掲示はしておりませんでした。ですが昨年大阪王将が創業50周年を迎え、原点回帰のスローガンのもと街中華モデルとして創業カラー(黄色い看板)の店舗を出店することになり、その際に餃子の元祖についての文言を載せることになり、千歳船橋店オープンに際して記したことがわかりました。
中将:一時期消えていたものがまた復活したんですね。なぜ採用したかわからないものの、このエピソードは確実に大阪王将スピリッツの源になっているということでしょうか。怖いけど。
担当者:餃子の元祖について書いてある何らかの文献を参考にデザイナーが手掛ており少し抜粋したような形になっているため、怖い感じになってしまっているのかと思われます……。
◇ ◇
ほかにも「大阪王将の餃子が美味しいのは怪物の肉が入ってるせいだったりして」などと振ってみたのだが、あえなくご担当者に無視されてしまった。
イートアンドが把握する限り、現在このエピソードが看板に書かれているのは千歳船橋店のみ。ほか、西五反田店もこのエピソードを店舗内に掲示しているそうだ。
なぜ採用したのかは永遠の謎になってしまったものの、確実に大阪王将スピリッツの源になっている(と思われる)このエピソード。読者のみなさんには、大阪王将を訪れる際はぜひこのエピソードを思い浮かべて太古の餃子ロマンに思いを馳せていただきたいものだ。
なお現在、大阪王将では新型コロナウィルス流行に苦しむ人々を少しでも笑顔にしたいと「ゴチ餃子」というイベントを開催中。
ご興味のある方はぜひイベント特設サイトをご覧になっていただきたい。