ボーガンで寝ている夫を撃った妻…宝塚の殺傷事件に着想 悪用防ぐため「届け出、認可、許可制の法律を」

小川 泰平 小川 泰平
女がボーガンや包丁を使って夫を殺そうとした現場のアパート。右の上階が居室とみられる=7月26日午前11時26分、神戸市兵庫区
女がボーガンや包丁を使って夫を殺そうとした現場のアパート。右の上階が居室とみられる=7月26日午前11時26分、神戸市兵庫区

 神戸市内の自宅アパートで夫をボーガンで撃ち、包丁で切り付けたとして殺人未遂容疑で兵庫県警に逮捕された無職樽井未希容疑者(33)が、6月に同県宝塚市で家族ら4人がボーガンで殺傷された事件をまねしたという趣旨の供述をしていることを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は28日、当サイトの取材に対し、「届け出制、認可制、許可制」という3段階を踏まえた規正法の必要性を説いた。

 逮捕容疑は26日午前5時50分ごろ、寝室で寝ていた夫(36)にボーガンを撃ち、矢が頭部をかすめたことで目を覚ました夫の首を包丁で切り付けた疑い。樽井容疑者は宝塚の事件後にインターネットでボーガンを購入したとみられる。県警は、宝塚の事件に着想を得たとみて動機や経緯を調べている。

 ボーガンは離れた場所から的を狙う競技。国内には「日本ボウガン射撃協会」という競技団体があり、国際大会も行われている。競技道具として、銃規制の対象にはなっていないが、これまで殺人事件や殺人未遂事件に使われてきた前例もあった。

 小川氏は「対面で買うお店ならば、住所、氏名、連絡先など身分を確認しているところもあるが、それは販売店任せ。ネットのオンラインショップでは、国内はもちろん海外からでも簡単に購入できる。登録制でないので免許は不要。だが、殺傷能力がある。6月の事件の際にも指摘しましたが、届け出制、認可制、許可制という3段階を踏まえた法律を早急に必要がある」と解説した。

 さらに、小川氏は「法律を作るのは時間がかかる。だが、こういう類似犯は続くものだし、現にこうして続いている。競技でも使われるからこそ、悪用されないためにも、ちゃんとした規制が求められる」と改めて強調。「法律成立までに時間を要するのであれば、都道府県の条例、販売業者や協会による対応も求められる。届け出制、認可制、許可制に。それは近々に必要だと思います」と訴えた。

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