コロナ禍、急速に普及したテレワーク。と言っても、月に数回は出社する人も多いのではないでしょうか。筆者もこの春、初めてテレワークを体験しましたが、困ったのが会社と自宅間の仕事道具の持ち運び。PC本体や周辺機器が重い!…ということより、会社で使い慣れた事務用品や資料をまとめて持ち帰ることにひと苦労。テレワーク中のみなさんは、どうされていますか?
元はフリーアドレスで脚光
国内では2000年前後、社内に固定の自席を設けない「フリーアドレス制」が導入され始めました。オフィス家具メーカーからはフリーアドレス向けの会社什器が登場。2014年、コクヨグループのオフィス通販会社カウネット(東京都港区)がオフィス内移動バッグ「ミーティングバッグ」を発売し、大ヒット。その後、デスクまわり用品が持ち運べるバッグやバッグインバッグなどがメーカー各社から発売されました。2018年頃からは、サテライトオフィスやコワーキングスペースが流行。テレワーク人口が増えるとともに、メーカーにはテレワーク用バッグの要望が寄せられるように。そしてこのたびのコロナ禍、元はフリーアドレス用に開発されたバッグが脚光を浴びます。
「売上40%アップ」
「6月の売上は2月の1・6倍。40%アップです」というのは事務用品メーカーLIHIT LAB.(リヒトラブ、大阪市中央区)の広報担当者。
2019年2月に発売の「ALTNA ツールバッグ(ヨコ型)A-7750」はもともと、フリーアドレス向けの商品でしたが、テレワークが広まった今年の3、4月の売上が大幅に増加。5月は小売店の営業自粛により売上数が落ちたものの、6月には再びアップ。個人だけでなく法人からのまとめ買いもあるそうです。
「A-7750」は、外側両面にアウターポケットがあり、PCの小物やケーブルなどを分類しながら収納が可能。ふたがあるため業務ファイルなどを入れても人目を気にせず運べます。CORDURA(R)(コーデュラ)の丈夫な生地を使用し自立。底面はコーティング生地を使っているため、電車の床に置いた後もサッと拭けます。
広報担当者自身もテレワークで使用したそうで、「自分で使ってみてあらためて便利さを実感しました」(広報担当者)。幅・奥行・高さ370mm×160mm×280mm、3980円(税別)。
「好調に推移」
オフィス内移動バッグの先駆け的存在カウネットは6月、「テレワークバッグ」(2990円・税込)を発売しました。同社事業推進室ブランド戦略グループの担当者によると「『フリーアドレスバッグ』(4280円・税込)とともに好調に推移しております」。「文房具総選挙2020に入賞した影響もあり、小売店様からの問い合わせが増え、一般のお客様から多くお求めいただいております」(担当者)。
雑誌付録にも
「実際に購入した読者の商品紹介ツイートが800RTを超えるなど、PCやタブレットも入る収納力や持ち運びのしやすさがSNSでも好評です」
こう語るのは大手出版社、宝島社(東京都千代田区)の広報課担当者です。7月13日に発売した「テレワークバッグBOOK nano・universe」は、発売前からネット上で「これいいなあ」「同人イベントで使える」と話題に。透明も含むポケットは6つあり、スタンド付きで自立し、スマホを立てたまま充電できる点も魅力のようです。2068 円(税込)。
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世の中にこんなにたくさんのテレワークバッグがあったとは…! もっと早く知りたかった。