鹿さん「入れますか?」→店「あかん、満席や」 奈良公園でくすっと笑える瞬間が激写される

黒川 裕生 黒川 裕生

野生の鹿と触れ合うことができるスポットとして、国内はもちろん海外からの旅行者にも人気が高い奈良公園。新型コロナウイルスの影響で観光客が激減した今も、SNSには地元の人たちが撮影した愛らしい鹿の写真や動画がアップされ、多くの人の心を掴んでいる。7月11日には、食堂の自動ドアを自分で器用に開け、「入れてください」と頭を下げているような動画がTwitterに登場。「さすが奈良の鹿」「ちゃんと仁義切っとる(笑)」と大きな反響を呼んだ。ほのぼのする瞬間を撮影したやまもっちゃんさん(@nara_yamamoto)に撮影時の話を聞いた。

「奈良公園を散歩していたら、お店の前で中を窺っている鹿さんを偶然見つけたんです」と、やまもっちゃんさん。しばらく見ていると、鼻先でボタンを押してドアを開けようとし始めたので、「これは面白そうだ」とスマホで撮影したのだという。

驚きの光景も、奈良では日常?

――Twitterの動画には「営業中や、入ろうと。」「2人なんですが。。」「あかん、あかん、今日は満席や。」という鹿と店員の“妄想会話”が添えられていましたが、実際お店の人や周りの反応はいかがでしたか?

「お店の中にはお客さんはおらず、店員さんだけでした。店員さんも、よく知っている鹿さんなのか、優しく対応されていましたよ。常連客なのかもしれませんね。中に入れないと分かったのか、しばらくすると諦めて去っていきました」

「本当に『入れてください、よろしくお願いします』と言っているようですね。奈良以外の方が見たら驚かれるような瞬間ですが、ここではよくある出来事なのかもしれません」

ここでしか見られない、鹿と人との不思議な関係

――よく鹿の写真を撮っていらっしゃるのですか?

「奈良県の大和郡山市に住んでいて、土日はしょっちゅう奈良公園に出没しています。大阪から移り住んで22年、鹿さんの写真歴はここ2年ほどで、散歩しながら撮影したり観察したりするのが週末の楽しみなんです」

――奈良公園の鹿の魅力はどんなところでしょう?

「近鉄奈良駅からほんの少し歩くだけで、原始の森が広がる奈良公園。四季折々の風景の中で、季節ごとに表情を変える鹿さんたち。そして今回のように野生動物である鹿さんと人間との不思議な関係。ここはまさに“奇跡の場所”とも言えるのではないでしょうか」

「奈良公園と鹿さんとが織りなす美しい風景と、何気ない日常のちょっとした感動を写真に収めて、奈良と鹿さんを愛する人に届けたい。そんな思いでTwitterには投稿しています」

コロナ禍で観光客が減ったが、鹿はのんびり?

――コロナ禍で奈良を訪れる観光客が減り、鹿が人から餌をもらえなくなったという話も聞きます。

「奈良公園は本当に人が少なくなりましたね。観光業に携わっておられる方は大変かと思いますが、とても静かな環境で、僕はむしろこれが本来の奈良公園ではないかとも感じています。なんとなく鹿さんものんびり、安心して過ごしているように見えなくもありません」

「鹿さんに聞いたわけではないのでわかりませんが、鹿せんべいをあげる観光客が減ったといえども、奈良公園や周辺には草などの食料は十分あります。むしろそれらを食べる方が健康的で、本来の鹿さんの姿だったりするのかもしれませんね」

ちなみに、奈良公園の鹿の「お辞儀」は、必ずしも「礼儀正しさ」を意味する行為ではないそうですよ。

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