八天堂の名物「くりーむパン」がパンケーキ&総菜パンに進化!三原と渋谷のコラボで夏季限定

北村 泰介 北村 泰介

 冷やして食べる「くりーむパン」として知られる広島県三原市の老舗ブランド「八天堂」が10年の歳月をかけてパンケーキを開発し、東京・渋谷のSHIBUYA109内の店舗で8月30日まで限定販売されている。コロッケとたまごサラダ入りの総菜パンも同時発売。三原と渋谷の食文化がコラボした新商品として注目されている。

 渋谷発のオリジナルフードを生み出すプロジェクトとして「IMADA KITCHEN(イマダ キッチン)」が八天堂と共同開発した「とろけるクマさんパンケーキ」と「とろけるコロたまクマサンド」。当初は4月下旬から約2か月間の販売予定だったが、コロナ禍に伴うSHIBUYA109の休業と重なり、スーパーで同商品が展開される7月からの販売となった。

 パンケーキの中には、くりーむパンのカスタードクリームが注入され、イチゴやベリー、ナッツなどをアレンジ。総菜パンは、広島でしか味わえない八天堂の「とろけるたまごサンド」にコロッケやキャベツを挟んだ一品。バンズの部分がくりーむパンで使用されているパンであることが特筆される。ひんやり、しっとりしたパンが揚げたてのコロッケを優しい甘さで包み込む相性の良さがあった。

 IMADA KITCHEN の商品開発担当者は「20歳前後の女性がSNSにあげてもらえるようなかわいらしいアレンジを施しました。味だけでなくSNSでの拡散も楽しんでいただけたら」とポイントを挙げた。いずれも熊の顔を模したデザインで税抜450円。テイクアウトもできる。

 八天堂は昭和 8 (1933)年、広島みはら港町で創業。「口どけ」をキーワードとした「くりーむパン」を主力商品とし、2009年から全国展開を始めた。新幹線が止まるターミナル駅など各地の駅構内で目にした人も多いだろう。常設店は東京の9店をはじめ、広島4店、大阪と福岡に各2店、千葉、栃木、神奈川、愛知、岐阜、岡山、大分に各1店の計24店。期間限定の催事店も展開。種類は当初の5種から、現在では季節商品や限定商品を含め約30種にまで増えた。

 今回、注目したのは総菜パンに、くりーむパンの生地がマッチした点。担当者は「たまごサラダから出る水分がパンに移行することでパン生地がしっとりします。コロッケ等を入れた商品も今後検討しております」と説明した。

 パンケーキについては「弊社は昭和8年に和菓子屋として創業し、2代目が洋菓子を取り入れ、3代目の現社長ではパンから、くりーむパンを中心としたスイーツパンへと変化。パンケーキはお皿に乗ってフォークとナイフで食べるのが主流ですが、食のスタイルが変化していく中、ワンハンドで手軽に食べることができれば多くの人々に幸せを感じていただけるのではと考え、開発に至りました」と明かす。

 全国的なブランドになっても三原に密着。「三原では古くから地元のお客様にご愛顧いただき、現在も和菓子店時代に商品をお買い求めいただいておりましたお客様もお越しいただいています。地域の活性化を図るため、行政と共に今年10月に広島空港前に『空の駅』をオープン予定です」。今後の展開について「全国各地にて通年販売し、パンケーキやたまごサンドも新たな展開をしたいと考えております」と意欲的だ。

 コロナ禍の中、東京では7月に入って連日、感染者数が3桁となる発表が続いているが、渋谷は若者を中心に活気が戻っている。八天堂の担当者は「コラボ企画を中止ではなく延期にしていただけたことに感謝しております。精一杯、取り組んでいきたいと考えております」と、三原から渋谷の夏に思いを馳せた。

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