新型コロナウイルスの感染防止対策で、いたるところ見かけるようになった「飛沫防止パーティション」ですが、ちょっと変わったバージョンが話題です。なんと…マンガでよく見るような「集中線」が入っているんです! 顔がのぞくだけで、背景から「ゴゴゴゴゴ…」って効果音まで聴こえてきそうで…これは注目せざるえませんね!
飛沫防止パーティションといえば、病院や飲食店、店舗の窓口などでよく見かけるようになりましたが、かねがね透明で存在感などをあまりアピールしないものばかりですよね。今回話題のパーティションは、60センチ四方のアクリル製。ただ、まわりに集中線があしらわれていて、パーティションの前にたたずむだけで、自分に集中が集まったようなシーンを作り出すことができます。製品を見た人たちからは「欲しい…」「素晴らしい」という声に合わせて、「リモートワーク中とかに使いたい」「吹き出しをつけたい」といった思いも寄せられています。
販売しているのは、兵庫県高砂市でプラスチック加工を手がける匠工芸です。もともと看板やコスプレ用の武器などファンタジーな造形物を制作していましたが、コロナ感染拡大を機に、4月より飛沫防止パーティションやカバーの販売を始めたといいます。開発のきっかけなどを、同社社長の折井匠さんに聞きました。
―すごいアイデアですね。
「当社ではものづくりを通して、お客さまをわくわくさせたいと思っています。このパーティションも、少しでも笑顔を作ることができないかと、社内で話し合って開発しました。集中線を入れるのは、コスプレイヤーとしても活躍する社員のアイデアです。マンガでよくあるような感じで、くすっと笑ってもらえるのではないかと…。6月上旬に思いついて、中旬から販売を始めた感じです」
―しかし…実際に購入された方とか、いるんでしょうか。
「販売をスタートしてからすでに5人の方が購入されています」
―えっ、どんな方がどんな風に使っているんですか!?
「みなさん通販で購入されていますので、把握するのは難しいですね。ただ、後日SNSで、手品を見せるバーをしている人が購入しているのを発見しました。お店のカウンターに置かれていました」
―すごい!手品をするときに使っているんでしょうか。とってもインパクトのある使い方ですね!
「製品は1つずつ手作りで作っています。透明なパーティションに、看板で使う材料でもあるカッティングシートを集中線の形に切って、貼り付けています。どうしても手間と時間がかかります」
―デザインのこだわりなどはありますか。
「集中線の中心部を、パーティションの中央ではなく、少し上に寄った位置にしています。そうすることで、 テーブルの上にこのパーティションを置いて使った際に、顔が集中線の真ん中にくるようにしています」
―そういえば、普通のパーティションも手がけていますよね。
「パーティションは4月から販売を初めていますが、ニーズが高くて驚いています。4月から3カ月で400台は作ったでしょうか。規格サイズの商品だけでなく、特別な注文をいただくことも。たとえば『病院のカウンターを全面ふさいでほしい』といわれたこともありました」
―オーダーメードのために注目を集めているのでしょうか。
「別注でのオーダーに対応するところが少なく、受けるところでも時間がかかるところが多いようです。うちには自社で材料のカット・加工をする設備があり、ワンストップで対応できます。フルオーダーのパーティションを3、4日後には設置することができたりするので、評価をいただいているのだと思います」
なお、こちらの製品は「企画第1弾」とされており、あらたな遊び心あふれるパーティションを社内で検討しているそうです。
税込1万5000円。 購入は同社サイトから。
■匠工芸 https://takumikougei6.co.jp/