「またハッカ味!」サクマドロップスの味の偏り…なぜ同じ数にしないの?メーカーに聞いてみた

太田 浩子 太田 浩子

 サクマドロップスの缶をカラカラと振って、ドロップを手に出したら「ハッカ味!」は、あなたにとって当たり?ハズレ?

 ハッカの好き嫌いは二分するようで、ハッカが苦手だと、なんだかやたらとハッカが入っているように感じるものです。ですが、出してみて「あぁ…ハッカだった!」「やった~!イチゴ」と思っても、実際に全部出して何個ずつ入っているのかを数えたことはありませんでした。それを実践したのが、mighty@作業地獄(@almighty0404)さん。「子供の頃ハッカばっかり出てくるなぁって思ってたから出してみた。ソシャゲのガチャの排出率みたいな偏り」と、ドロップを全部出してティッシュに種類ごとにならべたツイートが話題になりました。

 サクマドロップスの味は全部で8種類。イチゴ味は赤、パイン味は黄色、オレンジ味はオレンジ色、メロン味は緑色まではわかります。ですが、リンゴ味のピンク、レモン味の透明白、スモモ味の薄青色、ハッカ味の白はちょっと不思議。mightyさんの結果は、メロン6粒、スモモ2粒、イチゴ2粒、オレンジ2粒、リンゴ3粒、レモン5粒、ハッカ6粒、パイン0粒と、これはイメージ通りのかたよりと言えるかも。

 リプ欄は「私も調べてみました」というドロップをならべた写真が集まったほか、ハッカが好き!という人も多く、チョコ味の好き嫌いでも盛り上がりました。あれ?そういえばチョコ味があったはず…と見ていると「サクマドロップス」と「サクマ式ドロップス」があることに気がつきます。「サクマドロップス」はサクマ製菓(東京都目黒区)、「サクマ式ドロップス」は佐久間製菓(東京都豊島区)が製造しています。2社の歴史は1908年に佐久間惣治郎が創業した会社から始まっています。つまり、もとは同じなんですが、この会社が廃業したあとに2社がうまれたため、商品名を分けて「缶入りドロップス」を製造しているそうで、チョコ味は現在のところ「サクマ式ドロップス」のみに入っています。

 話が少しずれてしまいましたが、1缶に8種類の味を決まった数入れることもできそうなのに、なぜしないのか素朴な疑問を「サクマドロップス」を製造するサクマ製菓の担当者さんに聞きました。

──ドロップスはどのようにして缶に入れられているのですか?

 事前に8種類を同数生産し、1缶になるべく均等に入るよう混合してから入れております。1缶あたりの味バランスについて調整しておりませんので、どうしても偏りが生じてしまい、まれに1缶の中に8種類入らないケースもございます。

──混ぜてから入れるんですね、それはかたよりますね。なぜ同数にしないのですか?

 「振り出すまで、何が出るか分からない」「今日は大好きな味が続けて出た」など、サクマドロップスならではのワクワク感を含めて楽しんでいただけたらと思っています。

──たしかに、穴からのぞいて出してみたりしたのも思い出です。8種類の味に変化があったことはあるのでしょうか?

 時代の変化とともに、味の種類や、その味わいも少しずつ変化しておりますが、「ハッカ」は発売開始当初から変わらず入っています。
 たとえば1960年代は世界中のいろんなタイプの味を入れ、味の幅を楽しんでいただこうと、ジンジャー味やチェリー味などが入っていました。

──そんな味もあったのですか!

 社内記録に基づきますが、初公開かもしれません。
 1990年代にはどなたにも愛される品質の高い商品を目指し、その一環としてフルーツの美味しさを引き立てる果汁を入れ、今のサクマドロップスと近い味わいになりました。いろいろな味を楽しんでいただきたい思いは変わらず、現在は人気のフルーツ7種と、まろやかなハッカ味の計8種をミックスしています。

──レトロな印象のパッケージは今後も変わらないのですね。

 発売開始から100年以上、長く皆さまに親しんでいただいている商品のため、イメージを変えないようにしております。また、ドロップス缶という形態も後世に残し伝えていきたいと考えます。

──ツイートで話題になりました。

 弊社の商品をたくさんの方に話題にしていただいたこと、ガチャガチャのように「何が出るかわからない」といったワクワクや楽しみを多くの方に楽しんでいただいていることに大変うれしく思っております。これからもお客さまに喜んでいただけるような、長く愛される商品づくりをおこなってまいります。

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