神奈川県に住む白鳥さんは、譲渡サイトで見たキジシロの子猫にひとめぼれした。ただ、母子ペアでもらってほしいと書いてあった。猫を飼うのは初めてなので、ボランティアさんと話し合い子猫とペアにして譲渡してもらうことにした。2匹は、血はつながっていないが、まるで母と子のように暮らしている。
TNRのために捕獲した野良猫は妊娠していた
2018年1月、松丸さんは、TNRをするために1匹の猫を捕獲した。動物病院に連れて行きレントゲン撮影したら妊娠していたという。猫ボランティアの中には堕胎させる人もいるが、松丸さんはできるだけ出産させる。3月18日、4匹の子猫が生まれた。
母猫は子猫たちを可愛がり、お乳を与えて熱心に子育てした。その様子を見た松丸さんは、母猫に子猫を1匹残してやりたいと思い、譲渡サイトで里親を募集する時、母猫と子猫1匹をペアでもらってほしいと掲載した。
2018年3月、神奈川県に住む白鳥さんは、譲渡サイトを見て、松丸さんが掲載した子猫に目を留めた。キジシロの可愛い子猫。しかし、初めて猫を飼うので母猫と一緒に引き取るのは不安だった。ただ、猫も2匹一緒なら寂しくないだろうと思い、子猫を2匹譲渡もらうことにしたという。
「私が猫初心者だと説明して、相性のいい子猫を松丸さんに選んでもらうことになりました。松丸さんは10年以上猫ボランティアをしているベテランなので信頼していました」
見かけない子猫
4月、白鳥さんは子猫に会うために松丸さん宅を訪れた。松丸さんは、キジシロの子猫と合う子猫を2匹選んでくれていたが、次男がグレー白の被毛の子猫を選んだ。
グレー白の子猫は、2018年2月、突然川崎市の公園に現れた。その公園でエサやり(TNRした猫にエサを与えるボランティア)をしている人も見たことがない猫だった。生後6カ月くらい、グレーと白の被毛の小柄な猫だった。
「小さいし、早めに保護したら人なれする可能性が高く、里親さんも見つかりやすいんです。今日を逃したらもう会えないかもしれないと思い保護することにしました」
夜、もう一度公園に行った松丸さん。子猫でも野良猫なので警戒心があった。ここにいると思ったらあっちにいるという具合だったので、何度か獲機の場所を移動し、1時間くらいねばって捕獲したという。
2匹ペアで譲渡してもらってよかった
5月初旬、松丸さんが2匹の猫を連れてきてくれた。白鳥さんは、サイトで見た子猫をハルくん、松丸さんに選んでもらった猫をサクラちゃんと名付けた。
サクラちゃんは少し緊張していたが、翌日にはハルくんが、サクラちゃんのおっぱいを吸っていた。母猫のように思っただろうか。サクラちゃんもハルくんの母猫か姉のように振る舞い、いつも見守っているという。
「ハルが高いところに登ろうとするとニャアニャア(危ないよ)と鳴き、落ちそうになってニャア!と叫ぶと、飛んでくるんです」
白鳥さんは、猫のためにも2匹一緒に譲渡してもらってよかったと思っているという