家猫歴13年の愛猫が行方不明→探偵に相談… 子猫時代、警察官に命を救われた元保護猫

岡部 充代 岡部 充代

 13年間、一度も家の敷地から出たことのなかった猫のぷりんちゃんが行方不明になったのは、今年のゴールデンウイーク…いえ「ステイホーム週間」のことでした。飼い主の山田育子さんは、飼っている3匹の猫がどこにいるか頻繁に確認するそうで、ぷりんちゃんがいなくなったことに気づくまで、それほど時間は掛からなかったと言います。

「庭に出てもいつもすぐ帰ってくるのに、30分たっても帰ってこないからおかしいなと。野良ちゃんが訪ねてくるようになっていたので、ついていったのかもしれません」(山田さん)

 

 家族4人で近所を探しましたが見つかりません。テレビで紹介されていた迷子のペットを捜索する動物専門ペット探偵社『PET RESCUR』にも相談し、チラシを作成してポスティング。それでもなかなか情報が集まらず、投函エリアをどんどん広げていきました。

「毎日、朝から晩まで自転車で探し回りました。名前を呼びながら。ずっと泣いていましたね」(山田さん)

 一日に1―2件の電話は入るようになったものの、飛んで行くと違う猫…。そんなことが繰り返されて1週間がたったとき、自宅から1本筋違いの家の人が訪ねてきました。「うちの門の前にぷりんちゃんがいます!」。あわてて駆け付けると、着けていたゴム製の首輪が門に引っ掛かった状態のぷりんちゃんがいました。

「こんなに近くにいたの?という感じでしたね。ガリガリに痩せていたけど、無事に帰ってきてくれて本当によかったです。首輪が引っ掛かったのは危なかったですが、それがなければまたどこかへ行っていたかもしれないのでラッキーでした」(山田さん)

 

 家に帰ると、長年一緒に暮らすたまちゃんが優しく迎えてくれました。たまちゃんは14年前、ぷりんちゃんは13年前に山田家にやってきた元保護猫です。たまちゃんが保護された経緯は分かりませんが、ぷりんちゃんは警察に届けられ、保健所に行くことになった子猫を不憫に思った警察官が引き取ったそうです。そして、猫の保護・譲渡活動を行うNPO法人『猫の幼稚園』を通じて山田家に迎えられました。

 

「たまちゃんの友達をと思ってネットを見ていたら、ぷりんの写真があってかわいいなと。でも、初対面のとき生後3か月くらいで、思ったより大きかったんです。私は、たまとうまくいかないと困るから、もっと小さい子がいいと思ったんですけど、子供たちが『この子がいい!』と言うので連れて帰りました」(山田さん)

 最初はぷりんちゃんが怯えてたまちゃんを威嚇していたそうですが、約1か月、居住スペースを分けて少しずつ距離を縮めた結果、2匹は大の仲良しになりました。ぷりんちゃんが迷子になっていた1週間、きっとたまちゃんも心配していたでしょう。

 見つかったときはかなり衰弱していたというぷりんちゃん。もともと小食だったこともあり体調が戻るまで少し時間が掛かったそうですが、いつもと違う缶詰をもらうなどして、今ではすっかり元気に。山田さんは「一生守り抜きます!」と笑顔で話してくれました。

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