会社に“出勤”してくる野良猫のバンビちゃん “皆勤”実って飼い猫に「昇格猫事」

渡辺 陽 渡辺 陽

バンビちゃんは、野良猫だったが、とても人懐っこい子だった。警戒せずに近寄ってくる。迷い猫なのか、はたまた飼い猫で外飼いにされているのかは分からなかったが、飼い主は見つからなかった。愛知県に住む浜島さんは里親を探そうかとしたが、この野良猫を4匹目の猫として迎えることにした。

 

人懐っこい野良猫

 

愛知県で運送業を営む浜島さん。会社の近くに住み着いている野良猫がいる。野良猫は人を警戒して近寄ってこないが、2019年1月頃にふらっと現れたバンビちゃんは違っていた。まるで昔から知っている人のように近寄ってきた。事務所の中にも入ってきて、用意した段ボール箱の中で寝ることもあり、あまりに人懐っこいので、「飼い猫かねえ…」と話題になっていた。

住み着くわけではなく、夜になるとどこかに帰っていく。まるで会社に“出勤”して、終われば“帰宅”するような日が続いた。浜島さんは首輪をつけて「連絡をください」というメッセージを結び付けた。しかし、誰からも連絡はなかった。「迷い猫かもしれないし、飼い猫だったとしても、放し飼いなので、あまり責任感がないのかなと思いました」。動物総合センターAnimo(アニモ)にも連絡したが、誰も探していないようだった。

居座った成果?飼い猫になる

 

バンビちゃんは、事務所の中で眠ったまま、浜島さんが帰宅する時間になっても起きなくなることもあった。朝まで寝る勢いで、グーグー寝てしまうのだった。さすがに事務所に猫1匹置いておくわけにもいかない。仕方ないので、段ボール箱ごと外に出すこともあった。

「たまに遊びに来る子」という位置づけだったので、トイレも設置していなかったが、人懐っこいので、いつまでも放っておけない。浜島さんは、すでに猫を3匹飼っていたので、自分で飼おうとは思わなかった。かかりつけの動物病院が、里親募集中の子をケージに入れ、一定期間動物病院に来る人に見せてくれるので、里親を募集しようと思った。

ひとまず不妊手術をしたのだが、譲渡するのでさくら耳にしないでくださいと言ったのに耳をカットされてしまった。1月半ば、家に連れ帰ってご主人と相談し、浜島家で飼うことにしたという。年齢は1歳未満くらいだった。

抱っこは嫌いだけど、甘えん坊

 

被毛の色が、アニメに出てくる小鹿のバンビを思わせる色だったので、会社にいる時からみんながバンビちゃんと呼んでいた。最初家に来た時、バンビちゃんは、先住猫たちにシャーシャー言っていた。

「野良猫とは仲良くしていたので大丈夫だと思っていたのですが、目つきが怖くて、もうだめかなと思いました。でも、一週間くらいでおさまったんです」

先住猫のじゅうくちゃんとは特に仲が良い。じゅうくちゃんが椅子のところにいるとバンビちゃんも椅子のところに行き、かごのところにいるとかごのところに行く。

「2匹を見ていると可愛いんです」

人慣れはしていたが、抱っこは大嫌い。会社の社員が抱っこしようとしたら爪でひっかくくらい嫌いで、いまでも抱っこしようとすると「ウッ~」とうなる。ただ、自分の足の肉球を赤ちゃんが指しゃぶりをするように吸って寝る甘えん坊でもある。

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