京都の京町家一軒貸しゲストハウスで起きた、思わぬ出来事がInstagramで大きな反響を呼んでいます。
投稿したのは、京都でゲストハウスを運営するオーナー「ジンエモンネコ」さん(@neco_necolife)。縁の下をのぞき込んだときの“パニック体験”を、ユーモアを交えてこう綴りました。
「昨日2匹だったよね?
数え直す。いち、に、さん、し……
まだいる。
え、ここ増殖ポイントなん?
ログインボーナス式?
縁の下、完全に“仔猫ガチャ会場”。」
しかしこの投稿の背景には、戸惑いと葛藤、そして決意の物語がありました。
坪庭で聞こえた「ニャーニャー」という声
2025年5月。長期滞在のゲストがチェックアウトした日、室内清掃をしていたときのことでした。どこからか子猫の鳴き声が聞こえていましたが、作業に追われていたため、そのときは気に留めなかったといいます。
清掃を終え、坪庭の戸を開けた瞬間…小さな小さな子猫が1匹、庭の真ん中で鳴いていました。
「目が見えていないような状態でした」
正直、一瞬戸惑い、「見なかったことにしよう」と戸を閉めたそうです。しかし約1時間後、鳴き声は止まず、再び戸を開けると、2匹に増えていました。
母猫はどこに? そして3匹目
坪庭は両隣を建物に囲まれ、裏手は2メートル以上の塀。子猫が自力で入り込むのは難しい構造です。にもかかわらず、母猫の姿は見えない。
「どうしてここに? 母猫はどこに?」
混乱しながらも、ホームセンターへ走り子猫用フードを購入。戻って戸を開けると――今度は3匹に増えていました。
「完全にパニックでした」
その日は、ゲストハウスにあったカゴや段ボール、タオルで急ごしらえの“即席ベッド”を設置し、様子を見ることにしました。
翌朝、6匹に増えていた
そして翌朝。祈るような気持ちで縁の下をのぞき込むと、そこには6匹の子猫が。
「逆さまのまま、しばらく現実を受け止められませんでした」
ユーモラスな文章の裏には、戸惑いと責任の重さがありました。
「保護する」という決断
当初は保護するつもりはなかったといいます。1週間後には次のゲストの予約もあり、母猫が子猫を移動させるだろうと考えていました。しかし、毎日様子を見るうちに気持ちが変わりました。
「母猫がこの場所を“安心できる場所”として選んでくれたのだと思うと、この命をつなげなければという思いが強くなりました」
どうにかして守りたい。そう決心し、捕獲して病院へ連れて行きました。
10カ月後の現在
あれから約10カ月。現在は母猫と子猫1匹(オス)を、別で運営するホステルタイプのゲストハウスへ移動。看板猫になれるよう、少しずつ慣らしているところだそうです。
当時は必死で記録していた日々。今回、過去の投稿を再編集して公開したところ、想像以上の反響が寄せられました。
「戸惑いと不安の中にいた出来事でしたが、多くの方に共感していただき、温かい言葉をいただけてありがたく思っています」
縁の下から始まった小さな命の物語。“増殖ポイント”と笑いに変えながらも、そこには「見てしまった以上、無視できない」という葛藤と、命に向き合う決意がありました。
あの日、母猫が選んだ場所は、確かに“安心できる場所”だったのかもしれません。