ベテランミュージシャンも「本気」でネット配信に挑む どうなる?コロナ後の音楽ライブ

黒川 裕生 黒川 裕生

新型コロナウイルスの感染拡大に伴うライブハウスやコンサートホールなどの休業は、演奏を生業とするミュージシャン、スタッフらにとっても死活問題となっている。休業要請は解除されつつあるが、以前のようなスタイルでの客を入れたパフォーマンスができるようになるまでの道のりは遠い。そんな中、新たなライブの形として定着しつつあるのが、ネット配信だ。ベテランR&B歌手、円道シャーク・一成さんも6月1日夜、初めての配信ライブに挑戦する。

円道さんは1954年、神戸出身。高校生の頃にR&Bの魅力に目覚め、関西学院大学時代にバンド活動を始めた。1980年にプロデビューした後はダイナミックな歌声で人気を博し、CMのナレーションなどでも活躍。現在も、親交の深いミュージシャンらと共にライブハウスなどで精力的にステージをこなしている。

「ライブハウスが休業して音楽をやる場所がなくなった。そもそも緊急事態宣言が発令されて、気軽に外を出歩くこともできない。音楽ってこんなときどうあるべきなんだろうと自問する日々だった」と円道さんはここ数カ月の生活を振り返る。

「みんな口では『音楽は大事だ』と言うが、欧米などに比べて文化に対する公的な支援の動きも鈍く、日本では音楽の社会的優先順位が相当低いんだなと痛感した。しかもライブハウスは、元に戻るまで時間がかかるのは間違いない。音響や照明などライブに関係するスタッフへの影響も深刻な状況で、ミュージシャンとしては、新しい形で発信する方法を模索するしかないと思った」

配信は東京・中野の「ライブカフェ弁天」から。ボーカルの円道さんをはじめ、リズム隊やホーンセクションを加えた計8人の編成で「本気」のライブを届けるという。円道さんは「チャリティとか“おうち生活応援”ではなく、これはあくまで音楽を生業とする私たちのサバイバルの手段だ」と強調。コンテンツ制作協賛費として、視聴料を3500円に設定している。

「ライブハウスは今後、配信に特化するところと、生演奏にこだわるところとで二極化していくと思う。ミュージシャンもこれまで以上にセンスや技術が問われるはず。もちろんプレッシャーも大きいけど、心のどこかでちょっとワクワクしている部分もある」

申し込みはライブ当日の6月1日の昼をメドに、円道さんのFacebookやファンクラブのコンタクト欄などで連絡。指定口座に入金を確認後、視聴用のURLが送られてくる。ライブは19時半から。映像は4日正午までアーカイブされるという。

■Facebook https://www.facebook.com/izessp

■ファンクラブ https://jzbrave.wixsite.com/venushones

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