お手伝いしたらプレゼントがもらえる!?子どもと親と飲食店を救う「三方よし」の取り組みとは

國松 珠実 國松 珠実
これが「ステイホームチャレンジ」専用ポスト。チラシにある飲食店に設置されているので、6月3日までに忘れず投函しよう
これが「ステイホームチャレンジ」専用ポスト。チラシにある飲食店に設置されているので、6月3日までに忘れず投函しよう

 新型コロナの影響で、緊急事態宣言が解除されてもすぐにいつもの日常とはいかない中、兵庫県の姫路市で「ステイホームチャレンジ」というプロジェクトが始動した。ストレスの溜まった家庭や飲食店を応援して、社会に貢献しようとする取り組みだ。プロジェクトの代表を務める、難波工業(兵庫県姫路市)の難波勇紀社長に聞いた。

お手伝いしたらプレゼントに応募

  「ステイホームチャレンジ」とは、5月17~30日の期間限定プロジェクト。姫路市の八幡地区と夢前地区、約7400世帯の中学生までの子どもたちを対象に開催している。

  まず、各世帯にお手伝い「クエスト」のリストが掲載された専用チラシを配布。子どもは1つずつ「クエスト」を実行し、できたら親がスタンプを押して、7つ以上集まったら臨時に設置した最寄りの専用ポストに投函。チラシが応募用紙代わりとなって、後日抽選で30人にプレゼントが当たるというものだ。
 手伝いの内容は「幼児から小学低学年」、「小学高学年」、「中学生」と3つの区分に分けられ、プレゼントも同じ区分別でお菓子の詰め合わせやうどんの手作りキット、図書券・QUOカード3千円分が用意されている。専用ポストは、テイクアウト等を行う飲食店10店舗の店先にそれぞれ設置。具体的な店の場所は、専用チラシにマップ付きで紹介されている。

 子どもはゲーム感覚でお手伝いに挑戦でき、親も大助かり。また、専用ポストに投函しに訪れる家族が飲食店に立ち寄る効果も期待できる、まさに「三方よし」の取り組みだ。

地元愛で、子どもと親と飲食店を助ける

  プロジェクト代表で発案者の難波さんは、3人の小さい子どもの父親でもある。
「遊びたい盛りの子どもたちが長期間のステイホームを強いられ、妻もストレスを溜めています。何とか解決したくてあれこれ考えていたところ、飲食店を助けたいという感動会社楽通の田村慎太郎社長と出会い、意気投合した」そうだ。
5月7日にスタートし、1週間後には各世帯にチラシを配布し終えたという。

 楽通の田村さんは「専用チラシに載った飲食店は、7,400世帯に宣伝できた」と話す。
「各店舗ともSNSでテイクアウト情報を出しています。でも肝心のターゲットである地元の住民、特に年配の人に情報が届いていませんでした。彼らの目に止まった効果は大きい」という。子どものない世帯には、10店舗のテイクアウト情報が一度にチェックできる便利なチラシというわけだ。
「SNSは便利だけど、すぐに流れて目に止まりにくい。その点、紙は保管できる。紙の利点を生かした情報拡散です」。

 昔からの住民が多い地域のため、地元愛の力も大きい。飲食店も「あの難波さんの頼みなら」と協力してくれたそう。開始して1週間。ある店主は「ポストを設置したおかげで、チラシを見てテイクアウトの実施を知った近所の人たちが来店している」と笑顔で話す。

 すでに5月31日から始まるプロジェクト第2弾を計画中というが、実は第1弾の費用はほぼ難波さんが負担している。「地元が元気になるなら」という彼もまた地元愛に溢れている。

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