画面越しに集う「夜のラジオ体操」 Zoom利用、全国の人がつながる…1日をすっきり終わろう

山陽新聞社 山陽新聞社

 新型コロナウイルスの影響で外出を控える動きが続く中、岡山県内の愛好家でつくるグループ「夜のラジオ体操部ちょっと」が、テレビ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使って活動を続けている。天候に左右されないなどメリットも多く、密集、密接、密閉の3密を避ける「新しい生活様式」での楽しみ方の一つとして関心が集まりそうだ。

 「腕をしっかり伸ばして」「おなかに力を入れよう」―。

 12日午後7時、倉敷市内の一室に元気な声が響いた。映し出されたパソコンのモニターには、子どもから高齢者までの男女が、おなじみの音楽に合わせて伸び伸びと身体を動かす。アドバイスを送るのは1級指導士の資格を持つ三原保江さん(53)=瀬戸内市牛窓町千手。参加者全員に声を掛けながら和気あいあいと過ごし「会話もでき、画面越しであること以外は屋外での活動と変わりはない」と声を弾ませた。

 グループは2018年に立ち上げ、県総合グラウンド(岡山市北区いずみ町)で毎週火曜日、仕事帰りの仲間と「一日をすっきりと終わろう」とラジオ体操を楽しんでいた。だが、新型コロナの感染拡大で3月末に活動を休止。そうした際、グループのメンバーでイベントなどを手掛ける須山恭安さん(54)=倉敷市羽島=がズームを使ったラジオ体操を発案した。

 これまで4回行い、毎回10―20人程度が参加。岡山市まで足を運べなかった倉敷市内の高齢者や転勤で県外に出てしまったメンバー、関東に住む知人親子など次々と広まった。参加者からは「新しいチャレンジで、わくわくした」「自宅でも楽しく汗をかいた」などと好評。全国からも参加者が集まり、須山さんは「夜で参加しやすいのかな。いろんな人が来て面白いので、もっと広げたい」と喜ぶ。

 国の緊急事態宣言が解除されても感染リスクは残り、以前と同じ活動がいつ再開できるか分からないが、三原さんは「ラジオ体操で全国の人とつながった。ズームを活用して今までにない活動ができそう」と前向きに捉えている。

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