「コロナをやっつけろ!」千羽鶴ならぬ千尾金魚に祈りを込めて…奈良の金魚の町が募集

鶴野 浩己 鶴野 浩己

千羽鶴ならぬ「千尾金魚」に、コロナ終息の願いを込めて──。

「金魚の町」として知られる奈良県大和郡山市の金魚をテーマにしたユニークな取り組みが、いま注目を集めている。

世界中から折り紙を募集!

毎年8月に全国金魚すくい選手権を開催する同市は、4月20日−7月31日までの期間、全世界から金魚の折り紙を募集している。集まった作品は千羽鶴のように一つひとつ糸でつなげ、次回開催の金魚すくい選手権の会場で展示する予定だ。今年の開催は未定だが、千尾の金魚に、1日も早いコロナ禍終息への願いを込める。

使用する折り紙の大きさは15センチ×15センチが規定サイズ。色や素材に制限はなく、広告チラシで作っても大丈夫だ。市は金魚の折り方をホームページやYouTubeで公開していて、動画に従って折ればおよそ5分で完成する。動画の中では、「新型コロナが1日も早く終息しますように」というメッセージを、日本語、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語で発信。世界各国から募集を募る。

金魚は市役所地域振興課に郵送で送ってもらう。その他、市役所、市観光協会、アピタ大和郡山店内の行政機関「元気城下町ぷらっと」では持ち込みも受け付けているが、「感染リスクがありますから、できるだけ郵送でお願いできれば」と担当者。7月末までに折り紙を提出した参加者の中から抽選で50名に、全国金魚すくい選手権大会のオリジナルタオルがプレゼントされる。

現在までに集まった金魚折り紙は2000尾以上。東北から九州まで全国から届いているという。「日本中の小学生が1日も早くいつもの生活に戻れますように」「コロナをやっつけろ!」「コロナが落ち着いたら金魚の町に遊びに行ってみたい」など、メッセージも多数添えられており、市地域振興課では、集まったメッセージの展示方法も考えている。

金魚の町が平和のためにできること

全国有数の金魚の産地として知られる同市。毎年8月の第3日曜に開催する「全国金魚すくい選手権大会」は約2000人が参加し、延べ18000人の来場者が集まるビッグイベントだ。26回目の大会となる今年は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開催中止も検討中。市地域振興課・観光戦略室の三池悠太さんは、「大会開催はまだ未定ですが、金魚の町としてコロナ禍の世を救えるような活動はないかと市の職員一同で考え、千尾金魚を企画しました。日本中、世界中からどしどし金魚折り紙を送ってもらい、コロナ禍終息への想いを一つにできたらと思います」と語った。

金魚は中国語で「チンユイ」と発音し、「金余」(お金が余る)と発音が同じことから、蓄財を呼ぶ縁起のいい魚と言われている。また、たくさんの卵を産むことから多産祈願にもつながるそうだ。いつもはすくわれている金魚が、今度は世界をすくってくれるかもしれない。

祈りを込めた金魚折り紙を、ぜひ金魚の町に送ってみては?

金魚折り紙の送付先
〒639‐1198
奈良県大和郡山市北郡山町248‐4
大和郡山市役所地域振興課
問い合わせ:0743‐53‐1151(電話)

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