外出自粛の今だから「オンライン座禅」やってみた 心と体は軽く、でも足は...

天草 愛理 天草 愛理

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、外出自粛で自宅にこもりがちになり、ストレスをためている人も多いのでは。そんな時はオンライン座禅で心身をリフレッシュしてはどうだろう。京都・建仁寺の塔頭の両足院が、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」で参加できる座禅会「雲是[うんぜ]」を期間限定で配信している。日本語と英語に対応しているため、国内外から多くの人々が参加しており、「同じ場所で座禅している気がした」と好評だ。記者も4月22、23日、ノートパソコンで「参禅」してみた。

 座禅会は午前8時半にスタート。体と気持ちをリラックスさせる導入部に続き、畳の上に足を組むと座禅のスタートだ。

 「呼吸を整えようとせず、優しく見守ってあげてください」「体の中を魚が泳いでいるイメージができますか」

 指導者の伊藤東凌副住職(40)の呼び掛けに促されるように意識を体に集中させると、次第にまぶたが重くなり、ふわふわした心地よさを感じた。

 座禅といえば、心の乱れがあったり姿勢が悪かったりすると、僧に「警策」という木製の棒で肩や背中をたたかれるため、独特の緊張感が漂うが、オンライン座禅にはそれがなく、リラックスした気分で取り組める。終了後はさすがに足がしびれて立つのが大変だったが、体も心も軽くなったようだった。

 伊藤副住職によると、両足院はこれまで月10回程度開いてきた座禅体験を4月から増やし、毎日行う予定だった。その矢先に、新型コロナの感染拡大による外出制限や外出自粛が世界に広がったため、オンライン上の座禅会を発案したという。

 「雲是」という造語は「クラウド上でみんなで座り、雲のように自由な自分を取り戻す」という意味を込めた。経済的に厳しい人でも参加しやすいよう、寄付制で運営している。座りやすい環境と服装を確保すれば気軽に参加できるのも特長だ。

 伊藤副住職は「窓を開けたりアロマやお香をたいたりしてもいい。音や香りは感覚を研ぎ澄まし、体の変化に気づきやすくしてくれる」とアドバイスする。

 現在は米国から参加しやすい時間帯で催しているが、今後は欧州向けの時間帯で実施するなど、取り組みを続けていきたいという。

 オンライン座禅会は5月1日までの火~金曜。午前8時半から30分程度。参加希望者は https://sleeep.io/experience/cloud/sitting からメールアドレスなどを登録する。

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