テレビの前の人を笑顔にし続けてくれた志村けんさんの訃報に、世界中が大きな悲しみに包まれました。SNSには思い出深い映像や写真、似顔絵などとともに、志村けんさんへの感謝の言葉があふれています。norico0807(@norico0807)さんもそんな思いを表現した人のひとり。思いはチョコレートアートのムービーに込められています。真っ白な皿にのせたチョコレートが、小さいころに大好きだったというバカ殿から、優しい笑顔が印象的な最近の志村動物園の園長へとどんどん変化していきます。「思い出すのはいつも笑顔で、大好きな優しい笑顔の志村けんさんを描きたくてこの作品になりました」という動画は、多くの人の心を動かし246.6万回も再生されました。
リプ欄には、
「やばい、けんさんが笑顔になった途端 胸がけんさんでいっぱいになって悲しくなった」
「私まで泣けてきちゃうー。バカ殿さまからけんさんに戻る過程がすごく素敵で好きです。」
「いつまでも見てられる 感動しました」
「感動をありがとうございました。無から有、有から無に。真っ白な1枚のお皿に志村けんさんの人生が詰まってましたね。」
と、志村けんさんへのそれぞれの思いやチョコレートアートのすばらしさ、そして、新型コロナウイルスをともに乗り越えようという声が集まりました。
チョコペンアーティストとして活動するnorico0807さんに、今回の作品とチョコペンアートについて聞きました。
──志村けんさんのチョコレートアートムービーをつくろうと思ったのはなぜ?
ニュースで訃報を見たときは信じられず、初めて芸能人の死で涙が出ました。志村けんさんの優しい笑顔がテレビでずっと流れていて、この笑顔を描きたいと衝動的に思ったのがきっかけです。そして描くことによって現実を受け入れることができました。
──どのような思いを表現したのですか?
志村けんさんへの感謝の気持ちと、これからもずっとみんなの中で生き続けるというメッセージ、そしてこれ以上コロナウイルスによる犠牲者を出したくない思いを込めています。
──多くの人に話題になりました。
予想以上の反響でとても驚いています。
皆さまのコメントを読んで、志村けんさんがどれだけ愛されていたのかをダイレクトに感じました。また、Nissyさんがコロナで不安な人たちを勇気づけるためにつくった楽曲をBGMで使用させていただいたおかげで、さらに見た人の心に響いた作品になったと思います。この作品にこれだけ反響が出たのは、志村けんさんとNissyさんのおかげだと思っています。
──制作にはどのくらいの時間がかかったのでしょうか?
詳しくはわかりませんが、10時間以上はかかったと思います。
──1分の動画にそんなに時間がかかるんですね! チョコレートだけでこれだけ表現できることに驚きましたが、どのようなきっかけでチョコペンアートをされるようになったのですか?
以前に飲食店を経営していて、その時にシェフがデザートのお皿にチョコレートでメッセージを書いたことがあり、お客様がとても喜んでくださったのを見て、もっと喜ばせたいなと思ったのがきっかけです。
──チョコペンアート歴は? どうやって習得されたのですか?
5年くらい独学です。
──独学なんですね、スゴイ! 絵の勉強などはされていたのでしょうか?
絵は小さいころから好きで趣味で描いていました。小学生の時は画塾に通っていました。
──チョコペンアートのおもしろいところと難しいところを教えてください。
おもしろいところは、少ない量でも重ねたり伸ばしたりいろんな表現ができる、何より食べられるところで、もともとチョコレートが大好きなんです。難しいのは、環境や気温によってチョコレートの状態が変わるところです。
志村けんさんの命を奪った新型コロナウイルスがこの先どうなるのか、見通しが立たず不安な日々が続いています。
「自分のこれからと大切な人の為に
今できること、全力でしよう
この時期を乗り越えて、笑顔でまた会いましょう」(norico0807さん)