滋賀のローカル鉄道に「駅ピアノ」 妻の愛用品寄付「人と人の出会いが生まれれば」

京都新聞社 京都新聞社
八日市駅に到着した近江鉄道の車両
八日市駅に到着した近江鉄道の車両

 近江鉄道八日市駅(滋賀県東近江市)構内の市民ホールに、誰もが自由に弾ける「駅ピアノ」が設置され、駅の利用者や通りがかった親子が軽やかな音色を響かせている。

 滋賀県彦根市の公務員松本和典さん(54)が1月、「ピアノをきっかけに人と人との出会いが生まれれば」と、妻の嫁入り道具で使わなくなっていた1967年製ヤマハのアップライトピアノを寄贈。沿線の活性化を図る同鉄道が、1日の乗降者数が多い同駅に置いた。

 鍵盤に触れた東近江市の主婦冨田恵美さんは「本格的なピアノは学生時代以来。誰でも弾けるのがいい」と、息子と楽しそうに奏でていた。近江鉄道総務課の北原翔さん(32)は「ホールは天井が高いので、音がよく響く。コンサートをしたい人があれば、受け付けます」と話す。

 演奏は鉄道の始発から終電まで可能。混雑時は1人5分以内。問い合わせは同鉄道部0749(22)3303。

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