少子化の今、伝統を継承していく「システム」作りを

ハイヒール・リンゴのつぶやき

ハイヒール・リンゴ ハイヒール・リンゴ

 最近、高級食パンのお店が増えていますね。私も大好きなのですが。でもその一方で、2019年はパン屋さんの倒産件数が過去最高だったそう。パン屋さんがつぶれてるって、どういうことだろう?と調べてみたら、負債5000万円未満の規模の倒産が多いらしい。チェーン店ではない、小規模なお店が倒産しているんです。

 以前、テレビ番組で、いろんなパン屋さんを紹介するコーナーで見たのですが、どのお店でもパン職人さんは朝3~4時ごろに起きて仕込みをして、1日20~30種類も作る。でないとお客さんに飽きられてしまうから。1日に何度もパンを焼くけれど、夕方になると売れ残ったパンを袋に詰めて、1袋100円とかで売りきるのだそうです。そりゃあ、1斤1000円の食パンが出てきたら…負けますよね。売上とか労力とか原価とか。でもそういう街のパン屋さんこそ、残って欲しいと思うんです。

 後継者不足の問題もあるそうですが、パン屋さんを開きたいけれど、どうやって開いたらいいか分からない人のために、閉店する店で新しい人が簡単に新装開店できるように、店を譲る方法は、何かできないでしょうか。例えば閉店を決めてしまう前に、ネットで後継者を募集するとか。

 私は今「京都市ふるさと納税応援大使」をさせて頂いているのですがそこで提案しているのは西陣織の工房など後継者不足に悩むと職場で、ふるさと納税の返礼として職業体験をすること。ただの体験ではなく、その職業を継ぐという気持ちをもって体験してもらう。京都市には税金が入る。納めた人は真剣に職業体験できる。職場にとっても、跡取り候補が現れるかもしれない。それぞれが前向きに得をしますよね。それと同じことがパン屋さんでもできないかなと思います。

 テレビ番組などで、タレントがお店に1日入って体験レポートをすることがありますが、あれはあくまで番組の企画。それを一般の方にも間口を広げてできないかな、そうすればお店を始める人の敷居がグッと下がるのに、と思います。

 パン屋さんのことだけでなく少子化の今だからこそ、職業を家族や弟子に譲るだけではなくやる気のある、まったくの他人に譲るための「システム」をもっと作っていければいいのにと感じます。

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