「営業してるのに無観客!!!!」…新型コロナ騒動でも営業続行の水族館が自虐ツイート

山本 智行 山本 智行

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国的にイベント中止や自粛、休館が相次ぐ中、屋外施設の中には、少しでも余暇を楽しんでもらおうと“孤軍奮闘”しているところがある。過激なツイートでも知られる高知市の「桂浜水族館」もその一つ。しかし、こんな日もあるようで…。

 桂浜水族館は月の名勝、桂浜にある小さな水族館。女性館長の秋澤志名さんによると、この時期は閑散期ということもあり、客の入りは少なめ。しかし、今年は思った以上に大健闘していたそうで1、2月とも前年比増で推移し、ほくそ笑んでいたという。

 これに水を差したのが2月末に高知で新型コロナウイルス感染者が確認されたこと。「3月に入って、来客者が一気に少なくなってきました。桂浜の浜辺に人がほとんどいない。例年だと、水族館にも市内の小学生がお別れの遠足会で訪れているころですが、団体はすべてキャンセルになりました」

 それでも休館は考えなかった。理由のひとつとして公共施設ではないこともあるが、おもてなしをしたい思いが強かった。

 「小学校は休校になったけれど、行くところがない。ここに来れば、遊べて動物の生態なども学べる。生き物と触れ合うとことで元気にもなれると思うんです。高知市内の他の施設は閉めたり、時間を短縮しており、どこかが通常営業していないとねぇ。おかげで卒業旅行の大学生が結構来てくださってます。SNSのおかげでしょうか」

 逆風の中、営業するにあたっては「屋外での活動は感染リスクが低い」との厚生労働省の見解を踏まえた上で、しっかりと対策を講じている。館内の主要ポイントにアルコール消毒液を設置。動物とのふれ合いイベントは中止し、アシカショーでは観客が密集しないように配置を工夫。ウミガメなどのエサやり用のトングもまめに消毒している。

 「2階にある室内にはクジラの骨格標本も展示しているので、通気にも気を配っている」

 感染症の騒ぎ以降も、これまでのように飼育員と動物がふれあう場面や2月に福岡から桂浜水族館に嫁入りしたコツメカワウソの仲むつまじい写真などを公式ツイッターに次々とアップ。「お嫁さんの桜(おう)ちゃんと、うちの王子くん。おうおうコンビで、すっかりナイスな夫婦になりました。赤ちゃんが楽しみ」とPRに余念はないが、悲しいかな、来客ゼロという時間帯もあり「営業してます!!!! 営業してるのに無観客!!!!」と、笑うに笑えない自虐コメントをアップ。ネット上で話題にもなっている。

 「スタッフもがんばってくれています。4月から10月までが繁忙期なので春の遠足シーズンを迎え、これからが忙しなってくるころ。無観客だけは勘弁して欲しいです」と館長。1日も早い、新型コロナウイルスの終息を願っていた。

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