石井さん夫妻は5匹の猫を飼っていたが、ある時、奥さんが働いていた喫茶店の近くで1匹の子猫を保護し、一緒に暮らすことになった。石井家の先住5匹はみな奥さんに懐く“ママ派”だが、この子猫だけはなぜかご主人に懐く“パパ派”だ。
繁華街にいた野良猫の子猫
千葉県に住む石井さんは、いまのご主人と同棲していた時、5匹の猫と暮らしていた。みんなもともとは実家で飼っていた猫だった。ところが、2010年6月、初めて自分たちの猫を迎えることになった。
当時、喫茶店で働いていた石井さんのところに職場の同僚が電話をしてきた。「子猫が道端にいる。なんとか世話をしてもらえないか」ということだった。喫茶店のマスターに事情を説明すると、マスターも猫好きだったので「行ってもいいよ」と言ってくれた。石井さんが駆けつけると、近くのゲームセンターの室外機のそばに1匹の子猫が佇んでいた。
「ものすごく小さな子猫でしたが、人を見るとシャアシャア威嚇してきたんです。引っ掻かれてもいいと思い抱っこしようとすると、案の定引っ掻いてきて、でも、そのまま捕まえました」
箱の中から猫の声が!?
子猫を連れて動物病院に行くと、生後2カ月くらいということだった。
ご主人が仕事から帰ってきてテレビを見ていると、段ボール箱の中からミイミイという鳴き声がした。「えっ!?いまの何なの」と驚くご主人。石井さんは、子猫を見つけて連れ帰ったことを黙っていたのだ。「見てみたら」と言われて段ボール箱を開けてみると、見たこともないような小さな子猫がいて、ご主人はびっくり!しかし、可愛らしい子猫にハートをわしづかみにされた。
突然家に現れた猫だが、石井さん夫妻には、一度家にあげた猫を手離すという考えはない。子猫は石井家の子になった。
石井さんは、猫を連想させる名前にしたかったので、「ねずみちゃん」という名前にした。ねずみちゃんはキジトラで、グレーの被毛というわけではない。
数少ないご主人になつく猫
先住猫のぷりんちゃんたちは新しい猫を迎えることになれていて、数日間は威嚇したが、ねずみちゃんを受け入れてくれた。
石井家の猫たちは、奥さんに懐いている。しかし、ねずみちゃんだけはご主人が大好き。ご主人には甘えた声音で鳴き、帰宅する時間になると玄関で待機している。ご主人が帰宅するやいなや背中や肩に飛び乗って喜ぶので、そんなねずみちゃんをご主人も可愛がっている。
石井さん夫妻は、家猫も人一倍可愛がっているが、野良猫が交通事故などで亡くなっていたら拾って埋葬し、「今度は一番幸せになれるところに産まれてくるんだよ」と言っているという。